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V12エンジンの凄みは究極の贅沢か? 新型BMW M760Li xDrive試乗記

10/21(月) 20:41配信

GQ JAPAN

マイナーチェンジを受けたBMWの新型7シリーズ。なかでもトップグレードの「M760Li xDrive」は、今や希少なV12気筒エンジンを搭載する。その印象はいかに?

【写真を見る】V12エンジンが発揮する驚きのスペックと走りとは?

とてつもない力量

排気量6.6リッターのV型12気筒ツインターボ・エンジンは、街中を走っているときに存在をアピールすることはない。あくまで静かに、滑らかに回転して、裏方に徹している。そして粛々と仕事をこなしながらも、そのオーラがときおり顔をのぞかせてしまう。

たとえば、タバコ屋の角を曲がるようなとき、アクセルペダルを踏む右足の親指にほんのわずかに力を入れると、遠くから快音が聞こえる。その「クォーン」という濁りのない音は、ごく控え目な音量ながら、はっきりと聞こえる。優秀なオーディオシステムは、ボリュームを絞ってもしっかりと音が聞こえるのに似ている。

快音が耳に届くのと同時に、トルクが盛り上がる。厳密に言えばこのくらいの操作ではトルクが「ドン」と立ち上がるわけではなく、ブ厚いトルクの気配を感じる程度だ。そして、その気配だけでゾクゾクさせてくれる。こんなエンジン、ほかに記憶がない。

格闘家は、組み合った瞬間の気配やオーラで相手の力量がわかるという。まだひとつの技も繰り出していないBMW M760Liであるけれど、街中を走り出してすぐに、とてつもない力量を感じる。

609psというスーパースポーツ級の最高出力をボンネットの下に秘めながら、市街地での乗り心地は良好だ。といってもエアサスペンションの設定はソフトでフワフワしているわけではなく、しっかりと大地を蹴っていることが実感できるソリッドなもの。高質と硬質とが合わさった、BMWらしい乗り心地だ。

2019年夏のマイナーチェンジによってキドニーグリルの面積が約4割増しになり、BMW 7シリーズのエクステリアは威厳を増した。キドニーグリルは大型化すると同時に、ヘッドランプと接するようになり、横方向への広がりを感じさせる。キドニーグリルが天地方向に高くなったのを相殺するために、ヘッドランプのデザイン処理でロー&ワイドな雰囲気にしたのだと推察する。結果、“いかにも走ってやるゼ”という顔つきになった。

「威厳を増す」と「走ってやるゼ」が矛盾することなく両立している点が、BMWのフラグシップの特徴だ。

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最終更新:10/21(月) 20:41
GQ JAPAN

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