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吉田修一が愛する「世界でもっとも美しい」台湾の書店が、日本橋にオープン

10/21(月) 11:00配信

文春オンライン

ライフスタイルショップ、誠品生活日本橋がオープン

 アジア版『TIME』誌において、「世界でもっとも美しい書店」に選ばれたこともある台湾の誠品書店。9月27日にグランドオープンした、コレド室町テラスの目玉といえるのが、この誠品書店をメインに台湾茶や雑貨、飲食店などで構成されたライフスタイルショップ、誠品生活日本橋である。

【写真】ライフスタイルショップ・誠品生活日本橋の店内風景

 今回が日本初進出となる誠品だが、あの蔦屋書店が参考にしたことでも知られ、日本の本好き・書店好きの間ではかねてより話題になっていた存在である。人気作家の吉田修一もそのひとりだ。台湾を舞台にして長編小説『 路(ルー) 』を書き上げたり、全日空グループ機内誌『翼の王国』の連載エッセイでも度々取り上げ、彼の地への訪問回数は数しれず。台湾好きを自任しており、彼にとっては第二のふるさとのような存在である。その台湾の文化において大きな影響力を持つこの書店も、大好きな場所だという。

 28日には誠品生活日本橋のオープニングイベントとして、台湾でも絶大な人気がある吉田修一を招いてのトークが行われた。9月に発売された2冊の本、個人全集の第1巻となる『 青春 コレクションⅠ 』と、初めて古典に挑戦した『 アンジュと頭獅王 』のサイン会も同時に開催。これは誠品生活日本橋としては初の書籍に関わるイベントであると同時に、ディレクターのオリガさん他、本国から来た誠品書店スタッフの、たっての希望でもあった。吉田修一にとって都内書店でのトークショーは、20年におよぶ長いキャリアの中でも2度目というレアな機会であった。

「初めてなのに、どこか懐かしい」リラックス感が漂う店内

「芥川賞を受賞して間もない頃に、初めて台湾を訪れました。初めてとは思えないほどリラックスしているのが自分でもわかりました。その地に降り立ったとたんに、“肌が合う”と感じる場所ってあると思うのですが、私の場合台湾がまさにそう。初めてなのに、どこか懐かしく感じたんです。

 誠品書店にも、この最初の訪問のときから訪れています。台北の敦南店に行ったんですが、24時間営業なんですよ。その近くのホテルに滞在していて、訪れたのは夜中の1時ぐらいだったと思います。台湾はスクーター文化で、ここにも若い人たちがスクーターでやってきて、雑誌や文芸書を床に座り込んで読んでいました。その光景を見ていっぺんで好きになりましたね」

 と、台湾と誠品書店とのなれそめを語る。彼の地でもサイン会を開催しており、台北101という101階建ての話題の高層ビルに隣接する信義店での模様が、トークする背後のスクリーンに映し出されていた。

「台湾をはじめ、ソウルや上海などでもサイン会を行っていますが、日本の読者との違いはあまり感じません。かつて作家の河野多恵子さんと――彼女のことは大好きなのですが――、対談させてもらったときに、“吉田さん、作家というのは自分と近い種族の人を見つけられる、すごく良い職業なのよ”と話してらっしゃったんです。“精神的種族”とおっしゃっていたかな、そういう人に出会える機会があると。そういう観点からいうと、台北もソウルも日本との違いを感じることはほとんどありません」

 吉田修一が言うように、作家の好みが同じであるというのは、言語は違えど感性や感覚は近しいものがあるはずだ。また同時に、同じ書店に魅力を感じる、という人たちも国境を越えて通じ合うところがあるのではないだろうか。日本橋に誕生した誠品書店は腰の高さに平置きの台がズラリ、と並び、そこに置かれた本は眺めやすく手にも取りやすい。棚もほとんどが手を伸ばして届く高さにまとめられていて、人と本のふれあいを実に自然にしてくれる。昨今ライフスタイルにベクトルを向けた書店が増えている。台湾で生まれた誠品生活はそれをリードする存在といえるが、その中核を担う誠品書店は本と人に対して実にストレスフリーな構成。書店の本筋をしっかりと捉えている。

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最終更新:10/21(月) 11:00
文春オンライン

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