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「32億円の贈与」に課税ナシ!? 贈与税の時効が認められた事例

10/21(月) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

有効な節税手段として活用している人も多い「生前贈与」。その手軽さゆえに、申告や納税を失念してしまうケースも多く、その場合重い追徴課税が徴収されかねません。本記事では、相続・事業承継を専門とする税理士法人ブライト相続の竹下祐史税理士、天満亮税理士が、具体的な事例とともに、「贈与税の時効」について説明します。

税務署に「時効」を主張することは納税者の権利⁉

平成27年の相続税の基礎控除額の改正を機に、生前における節税対策を意識している方が多くいらっしゃるかと思います。

ご費用・お手間の点においてその敷居の低さから、「生前贈与」を有効な節税手段として活用している方も多いのではないでしょうか。

しかし、その手軽さの反面で、過去に贈与があったと記憶していたけど、申告や納税を失念してしまった、申告義務を知らなかったという方で不安な方もいるのではないでしょうか。

今回は、そのような疑問・不安を抱えている方に対し、「贈与税の時効」について実務経験・調査状況を踏まえ、どのように対応したらいいかについて説明します。

みなさん、「時効」という言葉を聞いてどのようなイメージをお持ちになりますか?

馴染みのあるところでは、TVドラマでの殺人事件(刑事事件)を思い描く方が多いのではないでしょうか。時効成立を願う犯人、それを阻止するために奮闘する刑事。

そもそも時効とは、ある権利が一定期間行使されない時に、その権利が消滅することをいいます。

税金の世界でも同様に時効が存在します。そして「時効」が成立している場合、税務署に「時効」を主張することは納税者である皆様の権利でもあります。もちろん贈与があって申告義務がある場合には、適切なタイミングで申告することが求められますが、何らかの理由で申告が漏れて、時効が成立している場合には、胸を張ってこれを主張していくべきです。

贈与税の時効において「善意」を主張するのは難しい…

税金全般に関する時効のルール、相続税・贈与税の時効のルールを順番にご説明していきます。

税金全般の時効のルール

税金の支払い義務は、国側から見ると債権という位置づけとなり、時効が存在します。

納付義務があったのに、未納付の状態が一定期間経過すると、時効が成立して税務署は納税義務者から税金を徴収することが出来ません。

税金の時効の期間については国税通則法という法律でルールが決まっていまして、原則として5年となります。

相続税の時効のルール

相続税の時効も原則通り5年となります。具体的には相続税の「申告期限から5年」と定められています。

申告期限は被相続人の方がお亡くなりになられてから10ヶ月ですので、お亡くなりになられてから5年10ヶ月が過ぎると時効が成立することになります。

上記が原則的な取り扱いですが、相続税の申告義務があることを知っていたのに故意に申告をしないような悪質なケースの場合には、時効は「5年」でなく「7年」となりますのでご留意ください。

贈与税の時効のルール

それでは本題の「贈与税の時効」は何年で成立するのでしょうか?

110万円の基礎控除を超えて納税が発生する場合の贈与税の時効成立は、内容に応じて年数が異なります。

・贈与税の申告義務を知らず、申告を行わなかったケース(善意の場合)

→贈与税の申告期限から6年

・虚偽申告やその他不正手段で申告を免れたケース(悪意の場合)

→贈与税の申告期限から7年

※贈与税の申告期限・・・贈与が行われた年の翌年3月15日(所得税の確定申告と同じ日)

この「悪意の場合」というところも論点になりがちなのですが、「意図的に贈与税の申告をしなかった」(=脱税)と認定されると「悪意の場合」とされて7年の時効が適用されることになります。

逆に「善意の場合」というのは、簡単に言うと、知らないうちに贈与をしていたので、贈与税の申告するのを忘れてしまっていたような場合です。なかなか考えにくい状況ですので、「善意」であったこと(6年の時効)を主張するのは難しいと言えます。

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最終更新:10/21(月) 8:00
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