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グーグルは消える?王者が築いた「世界システム」の限界

10/21(月) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● レビュー

 グーグルが消える日――。ビジネスでもプライベートでもグーグルを利用しない日はない。「世界のシステム」になったとさえいえるグーグルが、「消える」とはいったいどういうことなのか。

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 このような衝撃的な予言をするのは、著書『テレビの消える日』でネットワークコンピュータの台頭を予言し、スティーブ・ジョブズにも影響を与えたジョージ・ギルダーである。本書『グーグルが消える日 Life after Google』で示唆されるのは、グーグルが築いた世界システムにおける致命的な弱点を解決し、それに取って代わる、新しい世界システムの存在である。それは、インターネットの構造そのものを根底から覆すほどの大変革を、私たちに予感させるものだ。

 新たな世界システムの中枢は、中央集権型で管理しているユーザー識別情報の管理方法を改めることである。そこで活用されるのが、ブロックチェーン技術だ。これがグーグルの弱点を克服し、現在の世界システムに取って代わる日がやって来るという。グーグルありきの思考に陥ることなく、創造的に新たな世界を構築すべきときが到来している、というのが著者の主張だ。

 新しい世界システムのもとで、グーグルは競争に勝ち残れるのか。はたまた新勢力に取って代わられるのか。今後、インターネットの世界はどのように変わっていくのだろうか。シリコンバレーを震撼させたであろうこの予言の中身を、あなたも知りたくはないだろうか。(金井美穂)

● 本書の要点

 (1)著者はアルゴリズムに頼りきった発想に警鐘を鳴らし、人間の頭脳こそが創造性の源だと主張する。
(2)インターネットが商取引の場となった今、セキュリティーシステムに配慮を欠くグーグルの姿勢は、同社の衰退要因になりかねない。
(3)今後は、セキュリティーが基本的要件となる、「クリプトコズム(秘密保持の世界)」という新たな世界システムがつくられる。
(4)ユーザー識別情報を各企業が集中管理するのは危険である。ブロックチェーンを利用すれば、個人によるデータの自己管理が可能となり、インターネットの脆弱性という重大な欠陥を解決できる。

● 要約本文

 ◆グーグルが築いた世界
◇グーグルの「世界システム」の限界

 ネット社会の頂点に君臨するグーグル。企業の枠を超越して「世界のシステム」になったグーグルは、機械も人間と同じく「学習」できると考えている。だが、著者によると、彼らの考え方は、人間の意識を軽視しているという。そのような思考に陥るのは、唯物主義者のごとく、「宇宙の本質は物質だ」と信じているからに他ならない。グーグルが築いた世界では、人間の頭脳より機械の方が優れており、人間の知能はグーグルのアルゴリズムに及ばないと信じられている。

 しかし、こうした決定論的な発想からは、新しい発見は生まれない。創造性がなければ視野偏狭に陥り、衰退あるのみだ。そんななか著者は、アルゴリズムに頼りきった発想に警鐘を鳴らし、人間の頭脳こそが創造性の源だと主張する。グーグルの世界システムには欠陥と限界がある。今こそ、新たな「情報のアーキテクチャー」を構築すべきときが来ている。

 ◇セキュリティーシステムの限界

 かつてインターネットは、ウェブサイトの閲覧やメールの送信、コミュニティー内の意見交換など、限られた用途にのみ使われていた。その間は、セキュリティーはそれほど重要ではなかった。なぜなら、インターネットは商取引の手段として利用されていなかったからである。インターネットであらゆるサービスを「無料」で提供でき、ユーザーを満足させられていたのも、そういうわけだ。

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最終更新:10/21(月) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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