ここから本文です

仕事も育児も一人で抱えず早めに「NO」を伝える

10/21(月) 12:00配信

日経DUAL

共働きママ・パパには「周囲や上司に主張ができない」という方も多いのではないでしょうか。お迎え時間が決まっているから早く帰宅したいけれどもそれを言えない、男性で育休を取りたいけれど、周りにはまだそんな人はいないので言えない。.。。こうしたときにどのように伝えるのがいいのかを、30社以上の産業医を務めている大室正志さんに聞きます。

●ストレス負荷のチェックには、時間的定量観測とコントロール権の有無を

―― 働き方改革では長時間労働の是正が叫ばれますが、労働時間とともに、自分で仕事をコントロールできるかできないか、という点もストレスに大きく関係するそうですね。

 「『働き方改革』というと、二言目には『長時間労働の是正』と言われます。医師の立場から言いますと、好きで働いていても嫌いで働いていても、やり過ぎが体に悪いのは確かです。例えば、僕は『ドラゴンクエスト』が発売されると必ず4日間くらいほぼ寝ずにクリアするまでやってしまうんですが、好きでやっているからといって徹夜してやるのが体にいいかといったら、そんなことはないですよね(笑)。

 好きでやっている人のほうが相対的にストレスは少ないけれど、長時間働き続けるのは生き物として体にいいわけはありません。でも、自分でコントロールできるものに関しては、そんなにストレスは感じないのが人間です。

 ご自身の体調を振り返る時に、まずは睡眠時間や労働時間といった定量的なものを振り返ってほしいのですが、自分でコントロールできる時間がどのくらいあるかも振り返ってみてください。自分でコントロールできる時間の有無が体調や疲労に大きく影響します」

―― 裁量権が少ない場合はどうしたらいいのでしょうか?

はっきりNOを言える環境が大事

 「今までの日本の多くの男性社会では、できなくてもとりあえず『イエス』と答えて、徹夜してなんとかするといったことが主流でした。ですが、そういった体育会的なやり方は、これからは難しくなるでしょう。子どもがいる人は特に、時間のキャップ(上限)が決まっていますからね。できないことは『できません。なぜならこういう理由があるからです』とはっきりと伝えるコミュニケーションが必要になってきます。

 これが難しいのは、部下から『NO』を言われた時に、自分の人格を否定された気になる上司が多いからだと思います。今後は、会社のあり方としてメンバーシップ型からジョブ型への移行が進みます。ジョブ型に転換する以上は、人格と事実を分けることが必要になります。

 マッキンゼー・アンド・カンパニーなどでは、上司も部下もお互いの課題を徹底的に伝え合うそうです。なぜこれをするのかというと、人は訓練をしないと人格と課題を分離して考えるのが難しいからです。この先の日本では、部下側にも『NO』を論理的に説明する能力が求められていくでしょうし、上司は部下からの『NO』を強く捉え過ぎないようにトレーニングをすることが求められると思います」

1/2ページ

最終更新:10/21(月) 12:00
日経DUAL

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事