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「スポーツ賭博」人気で、賭けに出るパブリッシャー各社

10/22(火) 12:11配信

DIGIDAY[日本版]

アメリカのエディトリアルな報道において、スポーツベッティングは競争の激しいコンテンツだ。ブリーチャー・レポート(Bleacher Report)やESPN、スポーツイラストレイテッド(Sports Illustrated)をはじめ、スポーツベッティング専門のコンテンツを提供しているスポーツ分野のパブリッシャーは多い。2017年にはエンタメプラットフォーム企業のチャーニングループ(Chernin Group)がスポーツベッティング専門のスポーツメディア企業、アクション・ネットワーク(Action Network)を新設している。

米国では、ネバダ州等の一部地域を除きスポーツベッティングを禁止と定めた連邦法「1992年連邦プロ・アマスポーツ保護法」(PASPA)について、2018年に最高裁が違憲であるという判断を下した。これを受けて1カ月後にニュージャージー州がスポーツベッティング事業を合法に定めている。米国ではこうした流れのなかで、もはや報道だけにとどまらずスポーツベッティング事業自体に乗り出すパブリッシャーも現れはじめている。

9月第1週には、FOXスポーツ(FOX Sports)とザスコア(theScore)が独自のスポーツベッティングアプリをリリースしている。また、バースツール・スポーツ(Barstool Sports)は独立サイトのバースツール・ベッツ(Barstool Bets)を開設した。同サイトでは実際に賭けることなく無料で遊べて賞金が出るコンテストを行っている。ボックス・メディア(Vox Media)は、ファンタジースポーツの大手プロバイダーであるドラフトキングス(DraftKings)と提携してドラフトキングス・ネーション(DraftKings Nation)というスポーツベッティングのタイトルを提供しはじめた。

もともとスポーツ報道を行っていたザスコアのようなパブリッシャーにとって、ファンタジースポーツやスポーツベッティングの報道への拡大は自然な流れだった。そして、こういったスポーツベッティング報道を行うパブリッシャーにとって、スポーツベッティング事業への参入もまた合理的な拡大といえる。ザスコアが提供しているベッティングを行わないタイプのフラッグシップアプリの利用者は500万人にのぼるが、ザスコアのCEOジョン・レビー氏によればサードパーティが調査を行った結果、ユーザーのおよそ半数がスポーツベッティングを行っていることが判明したという。ザスコアの広報担当は米DIGIDAYの問い合わせに対し、調査会社やその方法を含めて同調査に関する情報の公開を拒否している。

これまでオーディエンスは、こうしたパブリッシャーの記事や動画を参考にしてベッティングが行えるほかの場所を利用していた。だが、ベッティングの合法化が進んだことで、パブリッシャーはこの状態を解消して自らの収益源へと変化させられるようになったのだ。「ザスコア内でベッティングができるよう適切に取り組みを進めて、オーディエンスが当社のサービスでベッティングしてくれるようになるのが当社全体の目標だ」とレビー氏は語る。

さらに全米でスポーツベッティングの合法化が進むことで、ベッティングの方法について興味があるオーディエンス向けの記事や動画の需要も増える見込みだ。さらにこうしたコンテンツは、それまでベッティングを行ってこなかったオーディエンスがベッティングをするきっかけとなりうる。この流れのなかで、スポーツベッティング業界に参入するメディア企業が増えるだけでなく、メディア業界に参入するドラフトキングスのようなスポーツベッティングプラットフォームも増える可能性がある。

ドラフトキングスの最高業務責任者、エズラ・クチャ-ズ氏は「業界に熱心で知識のあるファンが増えるほど、当社の商品への参加と成功、還元が増えるだろう」とメールで声明を発表している。

スポーツ系のパブリッシャーやプラットフォームが、コンテンツと賭博を組み合わせることでオーディエンスの増加とリテンションの向上につながると考えているのには根拠がある。シートン・ホール・スポーツ・ポール(Seton Hall Sports Poll)が2018年11月に発表した調査によると、米国では70%の人が、ベッティングしている試合のほうが見る可能性が高いと回答している。

上記の米国企業の取り組みは、これまで米国よりもベッティング市場が成熟している英国企業ですらあまり実施されてこなかった。「英国では放送局各社がスポーツベッティングに乗り出すような動きはなかった。あまりにも規制が厳しいためだ」と、WPPの保有するスポーツマーケティングエージェンシー、ツー・サークルズ(Two Circles)のシニアバイスプレジデントを務めるサム・ヤードリー氏は指摘する。そのため英国ではベッティングの運営企業が市場をコントロールしているが、企業間での差別化が乏しいためカスタマーのリテンションに苦戦しているという。

「賭博が大きな収益を生むのは言うまでもないが、行く末を左右し、巨大なビジネスチャンスを生み出すのは、賭博に付随するコンテンツだ」と、ヤードリー氏は語る。

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最終更新:10/22(火) 12:11
DIGIDAY[日本版]

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