ここから本文です

5Gが起こす大変革 日本株の主役は通信株(藤田勉)

10/22(火) 7:47配信

NIKKEI STYLE

次世代通信規格「5G」が2020年から日本でも本格展開される。5Gは人工知能(AI)革命を進化させ、我々の生活とビジネスを大きく変えるだろう。20年に向けて株式相場の新しいテーマとして脚光を浴び、通信株が日本株の主役に躍り出そうだ。
通信企業ソフトバンクの連結子会社であるZホールディングス(ZHD、旧ヤフー)によるファッション通販サイトZOZOの買収発表は市場を驚かせた。ただし、これは5G開始を控えた単なる序章にすぎない。通信事業者によるオンライン企業や電子商取引企業のM&A(合併・買収)は一段と活発化するだろう。
米アップルが07年にスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO、当時)の強いリーダーシップのもと開発したスマートフォンは10年代に本格的に普及し、今では我々の生活に不可欠なものになりつつある。スマホの能力を引き出したのが、日本では15年にサービスが本格的に始まった現行の通信規格「4G」である。4Gでは従来に比べ鮮明な画像や動画が見られることから、電子商取引やゲームなど娯楽のサービスの質を大いに向上させた。
4Gの恩恵を受けて、NTTドコモの連結純利益は15年3月期の4101億円から18年3月期に7908億円と93%増加した。同様にKDDIも15年3月期の3958億円から19年3月期に6177億円に増え、過去最高を記録した。NTTドコモの株価は12年の安値から18年の高値まで2.8倍、KDDIは12年の安値から16年の高値まで4.3倍に上昇した。

■自動運転、電子商取引… 5Gで進化

5Gはすでに世界でサービスが開始されている。4Gと比較して(1)1000倍の移動通信容量(大容量化)(2)100倍のピーク速度(超高速化)(3)10分の1以下の遅延(低遅延化)(4)100倍の接続機器数(多数同時接続)(5)低消費電力化の技術の確立――を目指す。
これらにより移動体環境で高画質の動画を見ることができるため、5Gは電子商取引や娯楽のみならず一般のビジネスを大きく変えることだろう。電子商取引が高度化すればデジタル決済がさらに普及するため、フィンテックへの恩恵が大きい。また情報伝達のタイムラグが1ミリ秒程度になる低遅延化、同時に通信可能な機器が大幅に増える多数同時接続は自動運転に不可欠な技術であるため、自動運転技術は大いに進化することであろう。

5Gは時価総額の大きい通信株にメリットを与える。日本の時価総額上位10社のうちNTT、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIが通信株である。そしてソフトバンクグループ(SBG)の18年度の事業別利益をみると、28.9%がソフトバンク(SBGが議決権の66.5%を保有)であるため、時価総額上位10社のうち5社が広義の通信株であると言える。

1/2ページ

最終更新:10/22(火) 7:47
NIKKEI STYLE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事