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【ヒットの法則31】メルセデスCクラス、アウディA4と比較してわかったE90型BMW 3シリーズの真価

10/22(火) 6:31配信

Webモーターマガジン

「攻め」のために重ねた周到な準備が実を結ぶ

2005年に登場した5代目E90型BMW3シリーズはプレミアムDセグメント市場に大きなイ
ンパクトを与えている。3シリーズのフルモデルチェンジに合わせたかのように同じ
年2005年にアウディA4が新世代に進化、メルセデス・ベンツCクラスも2004年に大幅
な改良を行なっている。5代目E90型BM 3シリーズの試乗レポート第3弾は、ライバル
となるであろうA4、Cクラスと比較しながら分析している。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年6月号より)

【写真】リアビューやインパネ、エンジンなどを見る

それにしても驚かされるのは、最近のBMWの、ニューモデルが発表されてから日本へ導入されるまでのタイムラグの小ささである。それは、つい先日発表されたばかりの新型3シリーズでも、例外ではなかった。何と4月12日に正式発表が行なわれ、早くも日本の路上を走り出すこととなったのだ。

今回は320i、330iの2台に、直接のライバルとなるメルセデス・ベンツC230コンプレッサーアバンギャルドと、アウディA4 2.0 TFSIクワトロの2台を加えた計4台にて、2泊3日の長距離比較テストを敢行した。方々から伝えられている極めて高い評価が、日本の環境においても当てはまるのか。気になる使い勝手はどうなのかを徹底的に見極めてみようというのが、その主題である。

早速、走りの印象をと言いたいところだが、その前にまずは改めてじっくりと、クルマ全体を見回すことから始めたいと思う。

これまで伝えられているように、新型3シリーズは先代E46よりボディサイズをさらに拡大。特に全幅は1815mmにまでなった。北米ではまったく問題ないサイズだろうし、どうもドイツ人を始めヨーロッパの人々も全幅にはあまり頓着していない様子。しかし日本では、それが使い勝手に与える影響は小さくないはずだ。走り出す前に、まずここを見極めておくのは、やはり必要なことだろう。

初対面の印象は、やはりと言おうか、率直に言って「大きくなったなぁ」というものだった。ただし、それは実際にボディが拡大された以上に、そこかしこにある「大きく見せる要素」によるところも小さくないと気付く。平滑な面でマッシブに盛り上がったボンネットや、ボリューム感のあるフロントフェンダー、サイドの彫りの深いキャラクターラインとその前後の複雑な面構成等々の肉感的な造形が、サイズ以上の存在感を醸し出しているのだ。

7シリーズやZ4、あるいは5シリーズの衝撃からするとコンサバだと言われていたし、事前に公開された写真を見る限は僕自身もそうかなと思っていたエクステリアだが、実物は十分にアグレッシブなものだったのである。

さらに見事なのは、それと同時に普遍的な3シリーズらしさもしっかり継承していることだ。ロングノーズのプロポーションやキャビンの造形などが、まさにそれに当たる。唯一、個人的にはテールランプの形状を含めたリアまわりはやや煩雑とも思うが、それでもひと目で3シリーズだとわかる仕上がりであることは間違いない。

新型3シリーズを見た後では、A4はまるで好対照と思えるほどクリーンに映る。よりエモーショナルなデザインを指向してほとんどのボディパネルを改めてきたのにもかかわらず、ディテールだけでなくすべての面で「攻め」のデザインを採用してきた3シリーズと較べると、相対的にはまだまだ大人しく見えるのだ。でも、それは決してネガではない。輸入車の購買層が、必ずしも押しの強さを求める人ばかりではないはずだからだ。

この2台と並べると、Cクラスは小さくすら見えてしまうのが正直なところ。けれど、このサイズが日本の道にぴったりなのも、また確かだ。
実はテスト中、3シリーズが予約したホテルの建物付属駐車場に入れず、離れた場所の機械式駐車場に回されるという事態に遭遇した。それだけで断定はできないが、ここ日本ではやはり使い勝手の良いサイズの限度を逸脱しつつあるのは事実だろう。

全幅1800mmまでしか許容しない駐車場でも、ギリギリ入れられるところは少なくないと思うが、たとえば家族で使うクルマなどとしては、それでは困る場合も多々あるはずだ。

実際に乗り込むと、5シリーズと似た雰囲気の新型3シリーズの運転席まわりは、サイズアップ分ほど広くは感じない。しかし、まあそれも3シリーズらしいと言えるのかもしれない。実際、走らせてみても四隅に手が届く感じは残っている。

一方、後席は明らかに広くなった。座面長はさほど変わらないが、足元や膝の前の余裕が増している。肩まわりも窮屈な感じはなく、なかなか快適と言える。

しかし、この点でもっとも健闘しているのはCクラスだ。室内幅には、3シリーズとの全幅の分ほどの差はないし、後席も十分なサイズで足元の広さはほぼ3シリーズと変わらない。同じFRレイアウトでも、Cクラスのエンジンは最大でV8。パッケージングの効率はやはり優れているのである。

相変わらずクオリティの高さでは際立つA4だが、室内の広さの点では逆に縦置きFFの効率の悪さがもろに出てしまった。後席は足元が狭く、シート自体も小ぶり。ただしトランクルームは逆に広くて、容量は460Lある。

ちなみに新型3シリーズも同じく460L、Cクラスは430Lとなる。いずれもクラス平均値を上回っているのはさすがと言えるだろう。

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最終更新:10/22(火) 6:31
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