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離職防ぐ環境づくり 管理職の「割り振る」能力にカギ

10/22(火) 17:40配信

NIKKEI STYLE

離職抑制には、労働者に気持ちよく働いてもらえる環境作りが不可欠だ。企業はこれまでとは異なり、時間外労働ができないなど働き方に制約がある社員も積極的に活用する必要がある。そのためには管理職の意識改革が欠かせない。多様な雇用契約で働く部下に対して、適切な仕事の割り振りや評価ができないと、不満を持った社員が離職してしまう。「私の時代は違った」と言って無理を強いる人を管理職にしてはいけない。

イリス・ボネット『WORK DESIGN』(池村千秋訳、NTT出版・18年)は行動経済学の視点から、職場におけるジェンダー格差克服をテーマとしている。これは多様な労働者にとって働きやすい環境を作るための取り組みを学ぶ上でも有益である。私たちが持つバイアスの存在に気づくきっかけとなるだけでなく、対処法についても学ぶことができるからだ。

働き方も変わる

働き方改革への対応も重要である。このように変化が激しい時代には、過去の経験と勘に頼って物事を決めることはできない。

これからは人事労務管理に関して前例のない課題に直面することから、データを用いた冷静な分析の重要性が増すことになる。大湾秀雄『日本の人事を科学する』(日本経済新聞出版社・17年)では、データの扱い方についての基礎的な解説に加えて、優秀な社員の定着率を上げるための手法や中間管理職の評価など具体的な課題への向き合い方が紹介されている。企業の人事担当者との共同作業を踏まえて執筆されていることから、実務家にとっても理解しやすい内容となっている。

労働者を奪い合う企業間競争は、提示される労働条件の相対評価により勝ち負けが決まることから、他社に後れをとることはできない。労使ともに、変化を受け入れる柔軟な思考と学び続ける姿勢が不可欠な時代である。

NIKKEI STYLE

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最終更新:10/22(火) 17:40
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