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わが子が「稼げる大人」になるため、「親にしか」できないこと

10/22(火) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

貧富の差がますます激しくなる日本。「わが子は稼げる大人になって欲しい」というのは、親にとって切なる願いともいえます。一方で、将来豊かな生活を送るためには、いたずらにステータスのある職業を勧めるのではなく、「北極星(=将来のビジョン)」を見据えて教育をする必要があります。そこで本連載では、公認会計士林總事務所・林總氏の著書『年収1000万円 「稼げる子」の育て方』(文響社)より一部を抜粋し、高学歴・高ステータスだけにとらわれずに、令和時代を生きぬく子どもの育て方を解説します。

どんな職業であれ「誰がやっても同じ仕事」などない

本連載では繰り返し「自分にしかできない専門的な仕事を見つけよ」と言ってきましたが、本来なら、「誰がやっても同じ仕事」などありません。どんな仕事にも、コンピューターには置き換えられない段取りのしかたや笑顔、思いやり、気配り、癒しといった「自分にしかできない」領域があるからです。

たとえば、私は先日、キヨスクで飲み物を買いました。冷蔵庫から取り出したとき、飲み物がまだ冷えていないことに気がつきましたが、「まあ、いいか」とレジに持って行ったところ、店員さんが「あ、冷えてるのがあるので交換しますね」と気をきかせてくれたのです。ささいなことですが、その日1日、気分よくすごすことができましたし、「今度もあの店で買おう」という気分になりました。

専門性や得意分野を伸ばすのも重要ですが、感じのよさや丁寧で確実な仕事ぶりなどで、自分自身の価値を高めていくこともできるのです。営業職であれば、クライアントに専門性を提供するのはもちろんのこと、信頼関係を築いて替えのきかない存在になっているかが大事です。

人と思いやりある関係が築ける人間力は、もちろん稼ぐ力につながります。いくら腕がいい弁護士でも、著しく思いやりに欠けていれば、「お願いしてよかった」とクライアントから支持されることはなく、仕事仲間からも好かれず仕事が広がっていきません。

仕事には、こうした自分のパーソナリティ、なかんずく誠実さが大切であることを、子どもには伝えていきたいところです。

最近、陽明学者・教育学者として知られる安岡正篤(やすおか まさひろ)の講演録を聴いているのですが、やはりそこでも「人間力や教養こそ、勉強が必要である」ということが語られていました。

人間力は生まれつきのものではありません。親から教わり、いかにいい人間と出会うかが重要なのです。

要するに、親自身に人間力があれば、子どもはおのずと魅力的な人間になります。子どもにあれこれ言う前に、わが身を振り返りましょう。私自身が心がけ、子どもにも教えて(見せて)いたのは、

●夫婦仲よく

●悪口を言わない

●相手が嫌がることはしない

●相手が触れられたくない話題には触れない

●約束を守る

といった当たり前のことばかりです。

しかし、こういった人間関係の基礎力は、親しか教えられません。教えるといっても、特別に難しいことをする必要はありません。自分の生活実感に根差した言葉や行動で示してあげるほうが、子どものなかに深く刻まれます。

あるとき妻が子どもたちに、「美味しいものをもらったら、ひとりで食べないでみんなで分けよう。みんなで食べると量は少ないけど美味しくなる」と話していたのを聞いて驚きました。同じことが、評論家・山本七平の本のなかに書かれていたからです。私は商人の家で育ったため、そんなことは思ったこともありませんでした(笑)が、なるほどと思わされました。

親はふだんの暮らしのなかで、自分自身が大切にしたい生活哲学を、もっともっと子どもに伝えていきましょう。子どもを子ども扱いせず、親の正直で真面目な言葉や行動が、子どもの精神力を磨き上げることにつながります。たとえそのときに子どもが聞いていないそぶりを見せたとしても、繰り返し伝え、態度で示せば、必ず心のどこかに残るはずです。

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最終更新:10/22(火) 9:00
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