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大迫か設楽か、それとも……。男子マラソン最後の1人は誰だ。

10/22(火) 8:31配信

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 設楽悠太の進取果敢な飛び出しに度肝を抜かれ、大迫傑の人間味があぶり出されるシーンに息を呑み、中村匠吾と服部勇馬の東京五輪代表内定に拍手を送った9月15日のMGC。マラソンの醍醐味が随所にあふれ出たスリリングなレースを経て、残り1枠を懸けて競う「ファイナルチャレンジ」の楽しみがより一層増している。

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 男子の対象レースは12月1日の福岡国際、来年3月1日の東京、同3月8日のびわ湖毎日。ここで、大迫の持つ2時間5分50秒の日本記録より1秒速い「2時間5分49秒」を突破した記録最上位の選手が、3枠目を勝ち取る。条件を満たす者がいない場合はMGC3位の大迫が代表になる。

 ファイナルチャレンジで軸となるのは前日本記録保持者の設楽だ。MGCでの設楽は、スタート時26.5度という暑さにもかかわらず最初から飛ばし、15kmまでは大迫の日本記録を上回っていた。最後は14位だったが、瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが「気温が10度前後だったら逃げ切った可能性は高い」と語ったように、冬のマラソンなら最後まで押し切る力を持っている。

設楽が挑む22秒の記録更新。

 しかも、対象3大会の中で最も記録誕生の可能性が高い東京は、'18年に設楽自身が2時間6分11秒の日本記録(当時)を出して、1億円ゲット第1号となった大会だ。'18年は天候曇り、スタート時6.5度という絶好の条件。天候には運も絡むが、ベストから22秒をそぎ落としていく作業は、1分、あるいは2分以上ベストを更新しなければならない他の選手と比べると実現性の高さに差がある。

 また、'17年に現在のコースになってからの優勝者とタイムは'17年がウィルソン・キプサングの2時間3分58秒、'18年はディクソン・チュンバの2時間5分30秒、'19年はビルハヌ・レゲセの2時間4分48秒。彼らと同等の選手が出場すれば、目標ペースに近い速さで走る選手の後ろに付く状況も期待できる。

 一方で、条件突破にまい進するのみの設楽と対照的に、大迫には出るか否かという選択がある。もちろん設楽にとっても大迫がレースにいるのといないのとでは精神的な違いがあろう。MGC以上のバトルも期待できそうなファイナルチャレンジ、なのである。

(「SCORE CARD」矢内由美子 = 文)

最終更新:10/22(火) 9:31
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