ここから本文です

甲斐拓也、日本シリーズで漂う風格。エースに要求した内角と「丸封じ」。

10/22(火) 11:41配信

Number Web

 ホークスは3年連続日本一に向けて本拠地で連勝スタートを決めた。勝因は様々挙げられるが、今年の日本シリーズでも「丸封じ」を成功させたのは非常に大きかった。

【秘蔵写真】意外と見たことない投手・丸、レアすぎる高校時代の鳥谷、凄い貫禄の横浜高校・筒香、やんちゃそうな中田翔と森友哉、ヘンテコな帽子の井口監督……名選手たちの高校時代。

 巨人の3番打者・丸佳浩は、前後を打つ坂本勇人と岡本和真と共に巨人打線のキーマンなのは言うまでもない。昨年の日本シリーズを制したホークスの勝因の一つが、広島の3番打者だった丸を抑え込んだことにあったのはまだ記憶に新しいところだ。6試合で打率.160(25打数4安打)、12三振に封じたことで赤ヘル打線を機能不全に陥れたのだった。

 今年の日本シリーズにおいても3番で打線を寸断することが出来れば、言わずもがなホークスの勝機は広がる。ホークスが果たして、巨人の丸に対してどのような攻め方をするのか。これは大きな注目点だった。

相手の打線を壊す投球。

 第1戦の大事な先発マウンドを託された千賀滉大は、それを十二分に自覚していた。

 ダルビッシュ有がかつて、こんな話をしていた。

 「エースというのは自分が投げるその試合を抑えるだけでなく、明日もチームが勝つために相手の打線を壊してしまう投球をしなければならないんです」

 ホークスのエースであり、昨オフにはダルビッシュのいる米国を訪ねて弟子入りした千賀はまさしくそれを体現していた。

 とにかく、しつこく何球も内角を攻め続けた。6回の第3打席で158キロの内いっぱいの直球で空振り三振を奪ったシーンなどは今季一番と言っても大袈裟でない最高の一球だったが、それ以上に「さすが」と唸ったのが3回の第2打席だ。

 結果は、フォアボールである。

 だけど最高のピッチングだった。

 その打席を振り返る。初球は内角低めにフォークが外れてボール。そして2球目からは全てカットボールを投げた。ボール、ストライク(ファウル)、ボール、そして4つ目のボール。

 すべて内角を攻め込んだのだ。

甲斐「意味のあるフォアボール」

 千賀がマウンドを降りた第4打席は、ホークス2番手の甲斐野央との対戦だった。日本シリーズ初登板の甲斐野は力んでいた。自慢の剛速球がシュート回転ばかりしていた。そうなれば内角に来ることはほとんどなく、実際に外一辺倒の配球になってしまったが、丸は外角球に全く対応できずに空振り三振に倒れた。

 千賀はキーマンを無安打に封じて、7回3安打1失点でチームを初戦勝利に導いた。試合後の囲み取材。「まだ終わっていないのであんまり喋れない」と配球については言葉を濁した。だが、あのフォアボールに“意味”を持たせていたのか、どうしても気になる。ならば女房役に話を聞くしかない。

 甲斐拓也もまた「詳しいことは言えませんけど」と前置きをしたが、帰りの駐車場で立ち止まってしっかり取材に応じてくれた。

 「千賀とは試合前に、相手を探るというより攻めていこうという話をしていました。あのフォアボールは『ここに投げてくれ』と僕が要求したところに千賀が投げきってくれました。決して無駄ではない、意味のあるフォアボールでした」

1/2ページ

最終更新:10/31(木) 11:46
Number Web

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事