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香港デモ 、高級ファッション市場に及ぼす影響とは?:世界最大の高級品市場の行く末

10/23(水) 8:51配信

DIGIDAY[日本版]

1980年代に中国で制定された「一国二制度」のもと、香港をはじめとする中国の一部地域では本土とは異なる法制度を維持している。だが、香港では今年夏に同制度が脅かされて以来、大規模な抗議活動が収まる気配を見せていない。

香港と中国本土の双方を重要な市場と位置づける高級ファッションブランドにとって、これは気が気でない状況だ。本記事では香港と高級ファッションブランドの現状と、香港の状況が高級品市場におよぼしうる影響について分析する。

香港で何が起きている?

簡単に言えば、4月に中国政府が香港から中国本土へ犯罪者の引き渡しを認める法律を導入し、これが論争の的となった。体制に反対する人間を投獄し、言論を封殺する手段になりうると危惧されたのだ。当初は引き渡しに関する法律のみが焦点となっていたが、抗議活動が3カ月以上におよぶとともに、香港議会における普通選挙権をはじめとする民主的な自治を求める声が高まっていった。

中国政府はこうした要求を飲む姿勢をまったく見せておらず、抗議している市民と政府のあいだで緊張が高まっている。

それが高級ファッションとどう関係している?

短期的な観点では答えは明確だ。中国本土と香港は、いまの高級品市場において最重要市場となっている。過去10年間で中国のカスタマーによる高級ファッションの需要は飛躍的に高まった。中国の高級品市場は、2011年に150億ドル(当時のレートで約1.2兆円)、2016年は160億ドル(同約1.8兆円)規模だったが、過去2年間で240億ドル(約2.6兆円)にまで成長し、いまや世界最大の高級品市場となっている。急速に成長する中国は世界中の他地域と比べ物にならないほど、魅力的な市場だ。ほかの高級品の需要が大きい市場と比べてすら、はるかに魅力的なのだ。

「米国の高級品市場は依然として大きいが、欧州やアジア、とりわけ中国ほどの伸びを見せていない」と、小売ソフトウェア企業のエンビスタ(enVista)で小売マーケティング担当バイスプレジデントを務めるデイビッド・ナウマン氏は語る。同氏は、中国が世界の高級品需要の3分の1を占めていると指摘した。

去年、高級ブランドが中国市場をターゲットとするための戦略変更をとった例は枚挙にいとまがない。ソーシャルアプリのWeChat(微信)を通じて中国のカスタマーをターゲティングし、Tモール(天猫)やアリババ(阿里巴巴)といった中国の大手ECプラットフォームにオンラインのフラッグシップ店をオープンするといった取り組みが相次いだ。

とりわけ香港は高級ブランドにとって最重要な都市となっている。なにしろ香港における高級品の売上は世界全体の5%から10%を占めているのだ。バルマン(Balmain)やオメガ(Omega)、ロンジン(Longines)といったブランドを有するスウォッチグループ(Swatch Group)は、香港の売上が総売上の14%を占めると報じられている。

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最終更新:10/23(水) 8:51
DIGIDAY[日本版]

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