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トルドー・リベラル首相再選に保守派が激怒、分離独立目指す動きも

10/23(水) 16:14配信

ニューズウィーク日本版

<石油・ガス・鉱業が盛んなカナダ西部アルバータ州では、ほぼ全域で反トルドー派が勝利。連邦から離脱した方がよほど繁栄する、という意見が盛り上がっている>

カナダで総選挙が行われた10月21日の夜、ジャスティン・トルドー首相はモントリオールで、与党自由党の僅差での勝利を祝った。一方、遠く離れた西部カナダでは、保守派の人々による「ウエグジット」についての議論が盛り上がっていた。

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「ウエグジット(Wexit)」とは、「ブレグジット(イギリスのEU離脱)」の頃語呂合わせ。その意味は文字通りカナダから「西部が離脱」することだ。

カナダからの分離独立を求める運動は、アルバータ州の石油・ガス産業の労働者から始まった。彼らはリベラルな現政権に対する強い不満を表明している。特に問題視しているのは、パイプラインのプロジェクトが宙に浮いたままになっていることだ。

この不満がトルドー政権の4年でどれほど高まったか、今回の総選挙の結果で明らかになった。アルバータ州ではほぼ全域で保守派が勝利したのだ。

カナダの放送局CTVの報告によると、ウエグジット運動への支持はソーシャルメディアで急増しているようだ。カナダのツイッターでは「ウエグジット」がトレンドになり、フェースブックのグループ「VoteWexit.com」に参加するメンバーも増えている。

22日の朝までに、VoteWexit.comグループには少なくとも7万3100人のメンバーが参加、多くの人が今後4年間、リベラル政権が続くことへの怒りを表明している。

<西部と中央の大きな断絶>

「西部諸州とカナダ政府の間には大きな断絶がある。そして今回の選挙の結果を受けて、関係はさらに悪化するだろう」とロナ・アンブローズ前保守党議員はカナダの放送局CTVの選挙番組で語った。

「西部はかつてカナダに加わることを望んでいたが、今は離脱を望んでいる。本気で議論しているのだ」と、彼女は言う。

今年8月にカナダの世論調査会社リサーチCo.が実施したオンライン調査によると、アンブローズの見方は的を射ているようだ。カナダからの「離脱」を求めるアルバータ州の住民は増加しており、10人に3人はカナダから離脱したほうがアルバータ州は繁栄すると感じている。

だが同月、アルバータ州のジェイソン・ケニー州首相(統一保守党)はツイッターで、アルバータ州がカナダから追い出されるところは見たくないという声明を出した。

「アルバータ州民は、連邦の一員として不公平な扱いを受けていることに不満を抱いており、カナダからの離脱を支持する声さえある」と、彼は述べた。「トルドーにカナダから追い出されたくない。むしろ、彼を首相の座から追い出すことに集中したい」

VoteWexit.comのウエブサイトによると、11月にはアルバータ州全域で多くの集会が開催され、街頭デモによってウエクジットの声を拡大させることになっている。

集会は11月2日にエドモントン、16日にカルガリー、30日にレッドディアで計画されている。

(翻訳:栗原紀子)

シャンタル・ダシルバ

最終更新:10/23(水) 20:00
ニューズウィーク日本版

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