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ラグビーが「上流階級のスポーツ」と見なされる理由

10/23(水) 6:00配信

JBpress

 (後藤 健生:サッカージャーナリスト)

 日本代表の大躍進によってラグビー人気が一気に高まっているが、初めてラグビーの試合を見た人たちはおそらく「サッカーと見た目がよく似ている」という印象を抱いたことだろう。どちらも、長方形の芝生の上で両チームが1個のボールを奪い合って争いを繰り広げるスポーツであり、そして、シャツに短いパンツ、ストッキングというユニフォームも似ている。

 ラグビーの日本代表は赤・白の縞模様の「桜のジャージ」で、サッカーの日本代表のブルーのシャツとはまったく異なっているが、他の国はラグビーもサッカーも同色のユニフォームを着用している。イングランドは白で、スコットランドは紺、アイルランドは緑で、ウェールズは赤、そしてフランスはブルー・・・。これは、各国のいわゆるナショナルカラーを使っているからだ。

 だが、試合の進め方はラグビーとサッカーではずいぶん違う。

 ラグビーでは手でボールを抱えて相手陣内に突進するが、サッカーではゴールキーパー以外は手を使うことができない。ラグビーは1回のトライで5点も入るが(コンバージョンキックが決まるとさらに2点)、サッカーではボールがゴールに入った時に1点だけ与えられるといったふうに、だ。

■ 「フットボール」が2つの競技に分かれた

 ところで、ラグビー・ワールドカップの優勝杯は「ウェブ・エリス・カップ」と呼ばれている。

 それは、こんな伝説に基づいている。1823年にイングランドにあるパブリックスクール(上流階級の子弟が通う全寮制の学校)の1つ、ラグビー校でのサッカーの試合中に、1人の少年がボールを抱えて相手ゴールに向かって走り出した。それがラグビーの始まりで、その少年こそウェブ・エリスだった──。ただ、エリス少年は実在の人物なのだが、この逸話は伝説に過ぎないというのが今では定説になっている。

 実際は、「フットボール」という1つのスポーツが2つに分かれて、別個に進化した結果、ラグビーとサッカーという2つのスポーツが出来上がったというのが真相だ。つまり、ラグビーとサッカーは“親子”ではなく、“兄弟”のような関係にあるのだ。

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最終更新:11/4(月) 8:20
JBpress

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