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ドコモ5G通信が正念場 なぜ半年の「プレサービス」なのか

10/23(水) 6:00配信

日経クロストレンド

 2020年春の商用サービス開始に先駆け、NTTドコモが次世代通信「5G」のプレサービスを始めた。社員1500人を投入し、半年で100の事例作りを目指す。まだ“主役”となる5Gの用途が創出できていない――そんな焦りを総力戦で払拭する。

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 19年9月20日午前10時、NTTドコモの吉澤和弘社長が「5G、オープン!」と高らかに宣言し、次世代の高速通信「5G」がスタートした。とはいっても、商用サービスの開始は20年春の予定。それまでの約半年間はプレサービスという位置付けで、一般ユーザーは契約することができず、デモ端末などを使用しても特に料金は発生しない。

 振り返ってみると、現行の通信規格である4G(LTE)や3G(ドコモでは「FOMA」と呼称)が開始される際にはこのようなプレサービス期間はなく、通信キャリアとベンダーが実証実験を行っただけだった。5Gでは実証実験に引き続き、なぜプレサービス期間が設けられたのだろうか。

 NTTドコモ 5G事業推進室長の太口努氏によると、実証実験とプレサービスの大きな違いは、商用サービスの設備を使うか否かだという。これまで実施されてきた数々の実証実験は、19年7月末に商用免許が交付される前の段階のものであったため、基地局を仮設する形で行われてきた。また、周波数帯域も割り当てが確定していなかったため、あくまでも想定される帯域を使ったものだった。

 今回スタートしたプレサービスでは、20年3月の商用サービス開始以降、実際に使われる基地局、周波数帯域で数々のトライアルが実施されていく。「内容は実証実験の延長線上ではあるが、本格的な設備を使って確認できるのがメリット」(太口氏)。現時点では、ラグビーワールドカップ2019日本大会が開催されている競技場や、主要駅や空港など全国約40施設で既に5Gエリアが構築されているという。

 いきなり商用サービスを始めるのではなく、半年のプレサービス期間を置いた理由について、太口氏はこう語る。「今までの通信規格と異なり、5Gではパートナー企業との連係で新たな用途の創出が不可欠。商用サービスのスムーズな開始のためには、準備期間が必要だ」

 NTTドコモはプレサービス期間を通じて、100の活用事例を創出したいともくろむ。そのために、常設の5G技術実証環境「ドコモ5Gオープンラボ」を既存の東京・大阪・沖縄・グアムに加え、北海道から九州までの7支社に1カ所ずつオープン。プレサービスのオープニングセレモニーでは、北海道支社などと5Gを使っての中継が行われた。

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最終更新:10/23(水) 6:00
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