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トランプのFRB圧力は金融危機回避のため、そして自分の事業のため?

10/24(木) 8:01配信

現代ビジネス

トランプはなぜここまで激しいのか

 トランプ大統領のFRB(米連邦準備銀行)への“口撃”が止まらない。

 最近のものを見ても、「大幅な利下げ望む」、「高金利が米製造業に打撃を与えている」、そして「パウエルとFRBはまた失敗だ。根性も分別も先見性もない!」と容赦ない。

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 最近ではツィートするだけで、金利が低下する。なぜ、そこまで激しく強くいえるのか。

 筆者は、経済・金融・経営では、仕組みと歴史が大事であると信じている。しかも、特に「金融」の話は、机上の勉強だけでは無理で、金融の現場の経験がないと理解できないことが多い。

 10月1日公開の「米短期金利の異常上昇は、いつか見たリーマン型国際金融危機の兆候か」では、低格付け企業向け融資が、リーマンショック直前のようにCLO(ローン担保証券)に形を変え、日本の金融機関を含め、世界中に広がっていることを書いた。

 そこで今度は、トランプの行動という、“逆の面”から分析してみた。

FRBへの容赦ない圧力

 経済学、そして金融論の基本に「中央銀行の独立性」ということがある。

 大統領や首相、そして政府が中央銀行に圧力を掛けて、過度に金融緩和を進め、経済危機を招くことを防ぐための原則である(日本の問題は今回ここでは議論しない)。

 第2次世界大戦後、もっともこの問題が具現化したのは、第37代大統領(トランプは第45代)のニクソン(在位1969~75年)の政権下であった。

 ニクソン大統領はベトナム戦争からの撤退、ソ連との緊張緩和、中国への電撃訪問やウォーターゲート事件で有名であるが、FRBに最も圧力を掛けたのも彼であった。その結果として(もちろんそのほかの理由もあるが)、ハイパーインフレがもたらされ、経済が大混乱し収拾には長い期間を要した。

 このニクソンの教訓があり、その後の歴代の大統領はFRBに強い圧力を掛けることはしなかった。

 しかし、トランプ大統領は、その規律をあえて破っている。トランプもインフレリスクのことは重視しており、「米国にインフレは存在しない。存在しているとしても、低水準で、利下げを実施するに値する。FRBが利下げすることを望む」とコメントしていることから、中央銀行の独立性を分かったうえで発言していると判断できる。

 さえにそれは詳しく分析してみると、「金融市場」のリスク回避のためというよりは、「自身の不動産投資会社」のためという感もある。

 最近のリーマンショックでもそうであったが、金融市場危機は最初、レポ市場の金利の高騰であらわになるが、その裏には不動産投資会社・金融機関の経営悪化があることが多いからである。リーマンショックの際は、米国の住宅価格の下落とそれに伴う、サブプライム住宅ローン証券化商品の暴落があった。

 トランプは不動産投資会社の経営者でもある(現在は大統領になったため一時的に退任しているが)ので、その辺の感覚が“鋭い”のである。

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最終更新:10/24(木) 8:01
現代ビジネス

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