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ファッションショーが与える環境負荷は、オフセットできるのか?

2019/11/2(土) 20:11配信

VOGUE JAPAN

2019年はファッション業界における公式な「サステナビリティ元年」といって差し支えないほどに、業界全体が環境問題に向き合い始めた年だ。その一方で、巨大化するファッションショーについては議論の余地が大いにある。誰もそれが与える環境負荷を知らないのだ。各分野のエキスパートたちに、ファッションショーの開催が地球に与える影響について話を聞いた。

今の時代、疑問に思ったことをGoogleで検索すれば、ほぼ確実に何らかの答えを得ることができる。しかし、「ファッションショーの二酸化炭素排出量は?」と入力しても、望む答えは返ってこない。検索結果自体はおよそ800万件表示されたが、問いに対する答えを導くものは一切見つからず、ほとんどがファッション業界全体の二酸化炭素排出量に関するものか、コットンなどの特定の素材に焦点を当てた内容で、ランウェイショーの二酸化炭素排出量を示すものではなかった。もちろん、望んでいた答えが得られなかったのはGoogleのせいではない。その答えが、どうやら存在しないのだ。

明らかに、近年のファッションショーは、おそらく持続可能性をリードする存在ではない。NYやパリなど各都市で開催される大掛かりなファッションショーを考えれば想像に易いだろう。約15分間の本番のために数カ月をかけて計画され、由緒ある歴史的建造物に壮大なセットが組まれることも珍しくない。そしてショーが終了すれば、ミネラルウォーターのペットボトルやプレスリリース、招待状に花、装飾など、大型ゴミステーションがあふれかえるほど大量のゴミが出る。加えて、ショーのゲストたちがその場に辿り着くまでの飛行機や電車、タクシーといった交通にかかる環境負荷は相当なものだ。

グローバルなアパレル業界をサステナブルなものに変えるべく設立された「ニュー・スタンダード・インスティチュート(NEW STANDARD INSTITUTE)」の創設者、マキシン・ベダは、次のように述べる。

「フライトの二酸化炭素排出量は計算できますが、ファッションショーのカーボンフットプリントという観点で集められたデータは存在しません。さまざまな機関に問い合わせましたが、情報源がまったく見つからないのです。ファッションショーを担当する制作会社の規模を考えると、情報源がないというのは必ずしも納得できる答えではありません。制作会社が解決策を見つけるか、完全にカーボンニュートラルなショーを実施できるように支援を求めれば、マーケットは対応するでしょう」

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最終更新:2019/11/2(土) 20:11
VOGUE JAPAN

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