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エーザイが開発中止の「認知症薬」復活のわけ

11/4(月) 5:00配信

東洋経済オンライン

 異例の逆転劇となるのか――。

 製薬大手のエーザイは10月30日、2019年度第2四半期の決算を発表した。同時に通期予想も修正。2020年3月期通期の売上高は前期比6%増の6800億円、営業利益は70億円上方修正して同28%増の1100億円とした。自社開発の抗がん剤「レンビマ」の販売が想定以上に伸びていることを反映させた。

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■開発中止した薬を承認申請する「異例」

 目下、エーザイの業績はがん領域が牽引して絶好調といえる。だが、中間決算会見の場で同社の内藤晴夫CEOが説明に多くの時間を割き、記者やアナリストの質問が集中したのは、開発中のアルツハイマー病(AD)治療薬についてだった。

 それは、エーザイが10月22日に、アメリカの製薬大手・バイオジェンと共同開発していたAD治療薬の「アデュカヌマブ」を、2020年初めにもアメリカ規制当局に新薬として承認申請すると発表していたからだ。承認されれば、世界初のAD根治薬が世に出ることになる。

 エーザイは今年3月、臨床試験(治験)第3フェーズでアデュカヌマブの開発中止を発表していた。「一度中止になった開発品目が申請に至るというのは、異例中の異例の出来事」と業界関係者は驚きを隠さない。何しろ、内藤CEOですら「中止になったときと今回とで、驚きで2度も死ぬ思いをした」ほどなのだ。

 そうしたサプライズもあり、エーザイの株価は10月23~24日にかけ2日連続でストップ高となった。11月1日の終値は前日比261円安の7887円で、承認申請発表前に比べ50%近く値上がりした水準で推移している。

 認知症の患者は現在、世界で5000万人と推計されている。2030年には8000万人に増えると見込まれ、介護などを含めた周辺コストは200兆円を超えると言われる。ただ、現在販売されている認知症薬は症状を一時的に緩和するだけで、病気そのものを改善させるアデュカヌマブのような根治薬は存在しない。開発に成功すればエーザイは莫大な収益を手にすることになる。

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最終更新:11/4(月) 5:00
東洋経済オンライン

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