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札幌決定で森喜朗氏に敗北…小池都知事の「次の一手」は?〈週刊朝日〉

11/8(金) 17:00配信

AERA dot.

 やはり札幌。10月30日から3日間、東京であった注目の国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会(ジョン・コーツ委員長)は、東京五輪のマラソンと競歩を札幌市開催に決定した。

 マラソンは最終日に男女同時開催する可能性がある。IOCと国、都、大会組織委員会のトップ会談があった11月1日の会見で森喜朗東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長は、「東京都の大英断に心から敬意を表したい。楽しみにしてくれ、尽力してくれた人には申し訳ない」。コーツ委員長は「新たな経費は東京都に求めない。子供たちにドーハのようなシーンが植え付けられてはならない」。小池百合子・都知事は「決定権限はIOCにある。都として札幌開催には同意できないが、IOCの決定は妨げない。あえて申し上げるなら『合意なき決定』」と語った。

 会見の前、森氏は会合の中で「IOCから聞いた時は驚いたが、小池知事に知らせると猛反対される。どうしたものかと思っていた」と語り、蚊帳の外にしたことをほのめかした。それが事実なら小池氏の「完敗」だ。この二人、因縁の仲。小池氏が自民党総裁選に出た時、森氏は麻生太郎氏を推し、知事選に出た時も支持しなかった。

 だが、自民党内では別の見方がある。幹部は言う。

「小池さんは一生懸命、札幌開催に反対しているが、そりゃ来年の選挙を前にすれば『戦います』と言うしかないよ。税金使って五輪を招致したんだからね。森さんが(10月)11日に聞いていて、15日に小池さんが知ったとも言われるが、ありえないよ。小池さんは、反発しておいて折れる形で恩を売って選挙では自分をということ。そこがうまいんですよ。悲劇のヒロインって格好をするのがね」

 政治もからんだ「札幌開催」変更のようだが、選手や監督たちは神経質だ。五輪代表に内定した選手を指導するある監督も札幌案に当初「いまさらという感じ」と批判的だったが、すぐに「決められた所に合わせて調整してゆく」などと発言を変更した。

 札幌ドームの発着は改修に費用がかさみ、国際大会の北海道マラソンで実績がある、大通公園を発着地とするコースが検討されるが、観戦チケット代は取れず減収だ。札幌開催でかかる費用について小池氏は「都民の税金を別会場に使いません」と発言しており、IOCが持つ方向。

 IOCは、ドーハでの陸上の世界選手権で棄権者が相次いだような事態が東京で起き、真夏開催に批判が噴出することを恐れた。1984年のロス五輪からの「稼ぐ五輪」において、米国では秋は大リーグやアメフトのトップシーズンで五輪の視聴率が落ち、放映権料が激減するため真夏を「死守」する。「選手第一」を隠れみのにした「マネー第一」五輪だった。(粟野仁雄)

※週刊朝日  2019年11月15日号

最終更新:11/8(金) 17:00
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