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さらなる日経平均上昇を暗示する2つの指標

11/6(水) 5:35配信

東洋経済オンライン

 日経平均株価は10月下旬以降、連日で年初来高値を更新し、昨年来高値(2018年10月2日の2万4270円)との距離を縮めている。株価上昇の主な背景は、①米中通商交渉が進展しつつあること、②BREXITを巡る混迷が落ち着きつつあること、③IT関連財の在庫調整が進展するなかで製造業を中心に業績底打ち感が台頭してきた――ことである。

このうち①と②は政治要因であるため先行きの予測が難しく、株式市場参加者も「半信半疑」だろうが、とくに③は筆者が以前の記事「それでも日経平均は再上昇する可能性がある」(10月5日配信)でも言及したとおり、株式市場のメインテーマの一つになっているようだ。そこで今回は製造業の業況と世界経済の先行きを深掘りすべく、2つの指標に注目する。

■半導体関連の株価指数が全体相場を牽引

 日本とアメリカの株価指数は製造業を中心に上昇基調にある。中でも活況なのは半導体関連銘柄だ。

 アメリカでは半導体(製造、販売、開発、製造装置、部材 ※台湾とオランダ企業が一部含まれる)に関連する30の企業で構成される「SOX(フィラデルフィア半導体株指数)」、日本では半導体などの電子部品を手がける企業が多く内包される「東証電気機器株価指数」が全体相場を牽引している。

 2018年に下降局面入りした世界半導体売上高(シリコンサイクル)に19年6月頃から底打ちの兆候がみられる中、次世代通信規格5Gの本格稼動に対する期待などから将来の増益期待が膨らんだ形だ。

 もっとも、製造業のデータは依然として強弱まちまちである。半導体関連セクターが「5G」「IoT」「AI」「自動運転」「省力化」といった有望なキーワードに囲まれている一方、それ以外に目を向けると、苦境にあえいでいる業種も少なくない。指標によっては目を疑うほど弱く、目下の株価上昇に疑問を投げかけるものもある。

■工作機械受注は「記録的な落ち込み」に

 その代表格が設備投資の先行指標とされる工作機械受注統計だ(内閣府発表の機械受注統計とは異なる)。工作機械は自動車、スマートフォンなどの金属部品(含む金型)の製造に多く用いられることから、その受注動向はこれら製品の生産に先立って増減する。つまり、工作機械受注は完成品メーカーの生産計画を映し出す鏡のような存在といえる。

 目下、工作機械受注額は前年比40%弱の減少基調にあり、水準は2013年前半と同程度まで落ち込んでしまっている。国内向けと海外向けが双方とも弱く、業種別では米中貿易戦争に伴う先行き不透明感などから自動車向けがとくに弱いほか、その波及効果もあって一般機械向けや精密向けも著しい不振が続いている。

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最終更新:11/6(水) 5:35
東洋経済オンライン

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