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高学年向け時計 受験での後悔体験が開発の鍵に

11/6(水) 10:30配信

日経DUAL

子どもが成長すると、習い事に通ったり通塾したり、ひとりで行動をすることが増えてきます。時間管理のために、子どもにいつ・どんな時計を持たせればいいのか、悩めるDUAL世代も多いのではないでしょうか。

 セイコーウオッチが2019年9月の発売直後にキッズデザイン賞(特定非営利活動法人キッズデザイン協議会)を受賞するなど注目を集める小学校高学年向けの本格的ソーラーウオッチ「スクールタイム」。開発の背景には担当者自身の受験経験がありました。開発担当の平吹奈央さんと、デザイナーの伊東絢人さんによるストーリーを前後編でお届けします。

●小学校高学年の子どもたちに本格的な腕時計を

 「子どもにもきちんとした腕時計を着けさせたいので、そんな腕時計を作ってほしい」。クリスマスシーズンに販売支援のために店頭に立っていた平吹奈央さんは、毎年保護者からの声を受け止めていました。入社後、ファッションブランドのライセンスウオッチや普及価格帯のブランドウオッチを経て、社名を冠したセイコーブランドを担当する平吹さんはこの願いの実現に踏み切りました。

 「今や都内では小学6年生の4人に1人が中学受験するといわれる受験ブームが、その背景にあります。時間配分は中学受験に限らず試験において大きなカギ。誰もが見やすく電池切れが気にならない時計を作ろうと思いました」と語る平吹さん。実は、中心価格帯としては5万円以上となるセイコーブランドでは近年子ども向けの商品は発売しておらず、イチからの開発でした。自身が受験時に経験した苦い失敗が大きなヒントになったそうです。

キャラクター時計のかわいさが集中の妨げに

 小学校高学年のとき平吹さんが愛用していた腕時計は、キャラクターが描かれた、かわいさだけで選んだもので、実用性は考えていませんでした。「勉強中にも、ついキャラクターが目に入って気が散ったり、デザインに触発されてノートをカラフルにすることに一生懸命になってしまったり、試験や勉強には向いていませんでした」と振り返ります。ベゼルが回せたのでそれで遊んでしまうことも。腕時計を着けていても、試験当日は試験会場の時計を見ていたそうです。「頭を上げて確認するたびに教室全体が目に入り集中できませんでした」と、苦笑します。

 また、受験に向けて自宅学習をする中で時間を管理する重要さを学んだそうです。最初は「時間配分は何とかなる」と高をくくり、何時間もかけて問題を解いていたそう。しかしその方法では、模擬試験で太刀打ちできないことに気づいたといいます。愛用のキャラクターデザインの腕時計はウレタンバンドで自立しないため、母親が持っていた一番小さな目覚まし時計を机上に置いて時間配分を覚えました。

 これらの経験からスクールタイムは、「大人が日常使いできるくらいのデザインを子ども向けに」「机の端に置いても見やすいように自立すること」を条件に開発が始まりました。

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最終更新:11/6(水) 10:30
日経DUAL

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