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【インタビュー】ビリー・バンバン(歌手/菅原 孝・75歳、菅原 進・72歳)「病気を患ったからこそ、感じる幸せも大きい。人生観もぐっと深まります」

11/7(木) 15:02配信

サライ.jp

【サライ・インタビュー】
ビリー・バンバン
(歌手/菅原 孝・75歳、菅原 進・72歳)
――数々のヒット曲を歌い続ける兄弟デュオ。今年でデビュー50年――
「病気を患ったからこそ、感じる幸せも大きい。人生観もぐっと深まります」

プロフィール

(左)すがわら・すすむ 昭和22年9月21日、東京生まれ。青山学院大学卒業。ビリー・バンバンの弟で、ボーカルとギター、曲作りの多くを手がける。ソロ歌手としても活躍。
(右)すがわら・たかし 昭和19年8月7日、東京生まれ。慶應義塾大学卒業。兄弟デュオ、ビリー・バンバンの兄。主にボーカルを担当する。司会者、俳優としても活躍。
※この記事は『サライ』本誌2019年11月号より転載しました。年齢・肩書き等は掲載当時のものです。(取材・文/角山祥道 撮影/宮地 工)

──結成50年だそうですね。

菅原進(以下、進)「ひと言で表すなら、“奇跡”だね。実の兄弟で長く続けているというのもそうだけど、僕らふたりとも、5年前の同じ時期に大病を患っていて、普通だったらその時点で終わりです。でもこうやって今も、変わらずステージに立っていられる。こんなありがたいことはない。家族にも、スタッフにも、応援してくれているファンの皆さんにも、感謝しかありません」

菅原孝(以下、孝)「俺はまだ車椅子だから、“ステージに立つ”といっても、実際は座ってるわけだけどね(笑)。でも、同級生が引退する中、こうして現役でいられるのは誇りです」

──ご病気のこと、詳しく教えてください。

進「病気になったのは、弟の私が先でした。持病の糖尿病の検診で、定期的に血液検査を受けていたんですが、ある時、その検査で異常が見つかりました。2014年の初夏のことです。内視鏡検査で盲腸にがんがあるとわかったんです。最初は自分のことじゃないような感じでしたね。すぐに開腹手術を行ないました。生体検査をすると、がんはステージIIIまで進行している。リンパ節に転移していたのです。他の臓器へ転移する可能性も高いと言われました。ひと月ごとに検査したのですが、心配でね。検査のたびに“今日は大丈夫だろうか”と怯えました。検査で転移がないとわかると、病院の帰りにひとり、ビールで乾杯してね。お陰さまで、そうやって5年経ちました。兄さんが倒れたのは、僕の手術の2か月後だったよね?」

孝「当時94歳のおふくろが実家でひとり暮らしをしていましてね。介護のため、仕事帰りにしょっちゅう実家に行っていたんです。この日もおふくろの食事を作ったあと、トイレに行きました。力んでいたら、すとんと前のめりに便座から落ちてしまったんです。立ち上がろうとするんですが、足がぐにゃぐにゃで力が入らない。何が起きたのかもわからず、そのまま横たわっているしかありませんでした。どのくらい経ったかなあ。僕の姿が見えないことを心配したおふくろが、トイレで見つけてくれた。救急車で病院に担ぎ込まれたのですが、脳出血でした。出血は脳の右側で、左半身に障害が残りました」

進「その時おふくろがトイレに探しに来てくれなかったら、帰らぬ人になっていたかもしれないんだから、おふくろのお陰だね。やっぱり奇跡だよ」

孝「あの年も暑い夏でね。前の年におふくろが熱中症になって入院したんです。今年はそんな目にあわせちゃいけないと、頻繁に顔を出していたんです。そしたら……」

──その時のお気持ちはいかがでしたか。

孝「正直“なんで俺が?”と思いました。それまで人一倍健康や食生活に気を遣っていて、毎日、ジョギングと筋力トレーニングを欠かしませんでした。それなのに倒れてしまった。本当のことを言うと、直後は投げやりでね。たとえば車に乗っていると、無意識に“このままトラブルが起こって、消えちゃったらいいのに”と考えてしまうんです」

進「そこまで追い詰められていたとは……。気付かなかったな」

孝「でもね、こんな俺でも必要としてくれる人がいた。妻や子どもが俺の存在を認めてくれた。人は必要とされると、馬鹿力というか、生きる力がわいてくる。妻や子を残して死ねるか、と思い直すことができた」

──約1年後にはステージに復帰されます。

進「自分自身のがんのこともあったし、兄さんが倒れた瞬間、ビリー・バンバンは99%終わった、と思いました。でも、こうして戻ってくることができた。ステージで歌っていて、涙が出てきました」

孝「ファンの声援は嬉しかったね。“死ぬまで歌い続けたい”と心から思えた。音楽があって、本当によかった」

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最終更新:11/7(木) 18:25
サライ.jp

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