ここから本文です

BMWではなくアルピナ! しかも、ディーゼルを選ぶ意味とは? D3 ビターボ リムジン試乗記

2019/11/7(木) 20:46配信

GQ JAPAN

コンフォートモードでも十分

BMW本社から約100km離れた町の工場で、熟練した作業員が、BMWから送られてきたピストンの重さやバランスを1本ずつ丁寧に測ったうえで、エンジンを組み上げていくという。

最近では、“クラフツマン・シップ”の神話も手垢がついてきたかんじで、「アルピナの話も眉つばもの……」と、思ってしまうかもしれない。しかし、走りだした途端、「うたがってごめんなさい!」と、おもわず言うはずだ。

エンジンはレッドゾーン近くまで気持ちよく吹け上がっていく。アクセルペダルの踏み込みに瞬時に応え、回転が上がっていく快感がある。

今回はD3 ビターボ リムジンで、富士スピードウェイを走る幸運にもめぐまれた。「走るときはやっぱりスポーツモードかな」と、思いきや、インストラクターを務めていた自動車ジャーナリストの菰田潔さんは「コンフォートモードで充分。驚くから」と、話す。

そこでコンフォートモード、かつDレンジのまま走りだしたら、まさに菰田さんの言葉どおりだった。直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンのすべてを味わいつくすドライブが楽しめた。

トルクバンドは1500rpm~3000rpmと、比較的下のほうに設定されている。搭載される8速オートマチック・トランスミッションは、そこをうまく使う。どこから踏んでも瞬時に力が出るし、コース最後でタイトコーナーが連続するセクションでも息切れしない。そこをサーっとこなし、最終コーナーからストレートへ飛び出していける。

おもしろかったのは、ストレートを走るほかのD3 ビターボ リムジンを見ていると、走行音がやたら静かだったこと。そこに驚いた。ちなみに、足まわりは基本的にBMWのものを流用するが、ダンパーの減衰力などはアルピナ専用のチューニングが施されているという。

7シリーズとの比較もアリ

アルピナとBMWのMモデル、どちらがいいか? と、ショールームで顧客に尋ねられるとき、「Mモデルは一般道も走れるサーキット・モデルですが、アルピナは、一般道での快適性を主眼にしたうえでサーキットも走れるモデルに仕上がっています、と、答えます」と、アルピナの輸入代理店を約40年間続けてきたニコル・オートモビルの担当者は話す。

たしかに、一般道でのふだん使いだけで幸福な気分にさせてくれるという点で、D3 ビターボは魅力的だ。

燃費は良好だった。今回の試乗会で東京都内~静岡県御殿場市を往復した結果は18km/L。高速道路主体だったが、ハイパフォーマンス・モデルとしては驚異的な数値だ。

現在、日本におけるBMW車で3.0リッター直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンを搭載するセダンは「740d xDrive Luxury」のみである。こちらは1226万円である。それに対し、D3ビターボ リムジンセダンは1050万円だ。

740dと基本的におなじディーゼルエンジンを搭載するものの、2台のキャラクターは大きく異なる。7シリーズと3シリーズを比べるのは、ボディサイズや快適装備が異なるためナンセンスかもしれないが、自らハンドルを握るオウナードライバーは、比較しても良いと思う。

文・小川フミオ 写真・望月浩彦

2/2ページ

最終更新:2019/11/7(木) 20:46
GQ JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事