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ソフトバンクGが過去最悪7000億円の四半期赤字、「泥沼化」懸念も【決算報19秋】

11/7(木) 18:40配信

ダイヤモンド・オンライン

 米シェアオフィス「ウィーワーク」を運営するウィーカンパニーの巨額投資で、同社史上最大の四半期赤字を計上したソフトバンクグループ。救済投資はこれを最後にできるのか。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

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● 過去最大7000億円の四半期赤字に 「投資判断がまずかった」

 「決算はぼろぼろ。まさに台風、大嵐の状況だ」

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長が登壇した2020年3月期中間決算の記者会見は「反省」の弁から始まった。

 4~9期決算は、10兆円の投資枠を持つ「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の損失が響き、営業損益は156億円の赤字だった。前年同期は営業利益1兆4207億円で、その差額は1兆4000億円を超えた。同社が主力とする投資ファンド事業のリスクが浮き彫りになった格好だ。

 損失の要因は、巨額投資をしてきたシェアオフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーの経営不振にある。

 経営難のウィーは9月末に上場延期に追い込まれたが、これまで、SBGとビジョン・ファンドによる累計投資額は103億ドル(約1.1兆円)に上る。1月時点では470億ドル(約5兆円)に達していた評価額が、78億ドル(8400億円)まで下落。巨額の評価損を計上したのが響いた。

 これにより、SBGの主力事業であるビジョン・ファンドの7~9月期の営業損失は9703億円に達した。SBGの7~9月期営業損失は7044億円、同四半期の当期純損失は7002億円で、いずれも1981年の創業以来、同社として最大の四半期赤字だ。

 「私自身の投資の判断がまずかったということは大いに反省している」。孫社長は「反省」という言葉を繰り返すばかりだった。

● それでも「委縮はしていない」 ファンド運営の方針に変更なし

 孫社長によると、最大の反省は、ウィー創業者のアダム・ニューマン氏に権限が集中しすぎていた企業統治(コーポレートガバナンス)の問題を見抜けなかったことだという。これでウィーの経営の実態を正確に把握しきれなかったようだ。

 これまで孫社長は、経営者の人物を評価して投資するスタイルが強かったが、今後はフリーキャッシュフローを重視して投資する。さらに、創業者のガバナンスについて、「しっかりした基準を設けて評価していく」(孫社長)という方針も掲げた。

 だが、こうした反省の弁を繰り返す孫社長も「委縮しているわけではない」のが本音だ。実際には、ウィーの損失がSBGの財務を揺るがすほどの衝撃になったわけではない。

 すでに10兆円規模のビジョン・ファンドの累計投資額は8.2兆円。これまでに1.2兆円の利益を計上しているが、孫社長によると37社の投資先が合計1.8兆円の利益を生み出した一方で、評価減で損失を計上したのは22社で6000億円に過ぎないという。

 つまり、ウィーの損失は数ある投資先の失敗の1つに過ぎず、ビジョン・ファンド全体の成績は好調だということを指摘するのを忘れなかった。

 「決算はボロボロだが、大勢には異常なし」と孫社長。中間期の営業利益を吹き飛ばす損失を計上しながら、ビジョン・ファンドの投資の方針を変更しない考えも最後に強調した。

 ビジョン・ファンドは投資先が88社にのぼり、9月末までに投資額が最大に達した。予定通りに2号ファンドを立ち上げる方針だ。

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最終更新:11/7(木) 18:40
ダイヤモンド・オンライン

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