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明治・グリコが参入の液体ミルク、普及が危ぶまれる「グレー」な理由

11/7(木) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 10月に日本を襲った台風19号。そこで大活躍したのが「液体ミルク」だ。作成に手間がかかる粉ミルクとは異なり、パッケージを開封すれば授乳が可能という便利な商品だ。日本では今年の3月に発売が解禁されたばかりで、現在は明治と江崎グリコの2社のみが参入している。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

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● 台風19号で乳児の命を守った「液体ミルク」

 「台風で停電と断水になり、赤ちゃんの粉ミルクが作れなくなってしまった。避難所での生活で自治体から液体ミルクが支給され、本当に助かった」――。

 被災者からの感謝の声に、液体ミルクの販売を行う江崎グリコのある女性社員はトイレで一人涙したという。

 自然災害が相次ぐ日本。10月には大型の台風19号が直撃し、最大で43万軒以上の停電をはじめ、産業・家庭共に甚大な被害をもたらした。

 このときに、陰で大活躍したのが「液体ミルク」だ。避難所での生活はプライバシーの観点から母乳の授乳環境も限られる。広く普及する粉ミルクは、粉を量り、お湯で溶かした後に、人肌まで冷ますという手間と時間を要する。断水や停電になれば、衛生環境の確保やお湯の用意さえも難しい。

 一方、液体ミルクは、容器を開けて哺乳瓶に移し替えれば、そのまま赤ちゃんに飲ませることができるとあって便利だ。

 多発する自然災害を受け、10月25日には、内閣府と厚生労働省から各自治体に、液体ミルクの備蓄を含む災害時の授乳環境整備等を進めるよう要請があった。

 海外では、1970年代にフィンランドで発売されて以降、液体ミルクは広く普及している。しかし、日本では今年の3月にようやく発売となった。

 日本での導入が遅れた理由は、法整備がされていなかったという点に尽きる。液体ミルクは「調整液状乳」という規格になるが、日本にはそもそもこの規格が存在しなかった。

● 台風19号襲来の直前に売り上げは2~3倍 利用者からは「多様なサイズ」などの要望も

 18年8月に調整液状乳に関連した法律が制定されて以降、大手メーカーの明治とグリコが液体ミルクの販売に参入した。2社の商品はパッケージや内容量がそれぞれ異なる。

 明治はパッケージにスチール缶を使用している。「缶は賞味期限が長い。全国50前後の自治体で、備蓄品として購入されている。寒冷地では、缶のままカイロで温めている事例もある」(明治マーケティング本部の田中伸一郎氏)と明かす。台風19号の直前には通常の2~3倍売れたそうだ。

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最終更新:11/7(木) 10:30
ダイヤモンド・オンライン

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