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日本の「クラフトビール」実態がわからない事情

11/7(木) 5:20配信

東洋経済オンライン

 ここ数年クラフトビールが人気を博し、週末には全国どこかしらでビール祭りやイベントが開催されています。スーパーなどでもよく見かけるようになりましたし、飲食店での取り扱いも増えて専門店も急増中です。一時の低迷を知る者としては感慨深いものがあります。

 しかし、そもそも「クラフトビールとは何か」と、問われると答えに窮する方も多いのではないでしょうか。「大手メーカー以外」「地元密着」などいろいろなイメージがありますが、よくよく考えてみると反例もたくさんありそうです。

 クラフトビールとはいったい何なのでしょうか?  クラフトビールはCraft beerなのでしょうか?  ここ日本の話をする前に、発祥の国であるアメリカがどうなっているのかまず見ていきましょう。

■アメリカには定義があるとは言うけれど

 近年世界的に流行を見せるクラフトビールはアメリカ発祥の文化で、諸説ありますが1980年代にこの言葉が使われ始めたと言われます。ネットや雑誌では「アメリカにはクラフトビールの定義がある」とよく言われますが、この説明には若干語弊があると言わざるをえません。

 正確には醸造家の加盟する業界団体である「Brewers Association(ブルワーズアソシエーション、以下BA)」が「Craft Brewer(クラフトブルワー、醸造家の意)」を年間生産量・独立性・ライセンスによって定義しているだけで、ビール自体には言及していません。定義しているのは醸造家です。

 そういう人たちが醸造したビールのことを一般的にCraft beerと呼んでいて、現在広く認知されるようになっているというのが正確な表現だと思われます。

 さて、そのクラフトブルワーの定義ですが、実は過去何度も条件が変わっています。年間生産量の上限が引き上げられたり、副原料の規定が削除されたり、直近の変更では生産している主力商品がビールでなくても構わないことになりました。

 時代によってものの捉え方は移り変わっていきますし、1度決めた定義を後生大事に守っていくことで活動が窮屈になってしまうのであれば本末転倒でしょう。随時見直すことは大事なのですが、条件の変更は団体に属する有力な会員が定義に合わなくなって脱退するのを避けるため、とも言われており、いろいろと大人の事情も見え隠れしています。

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最終更新:11/7(木) 5:20
東洋経済オンライン

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