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キヤノン、ミラーレス不振で3度目修正の深刻度

11/7(木) 5:05配信

東洋経済オンライン

 「結局、また下方修正だったね」

 キヤノンが10月28日に開催した投資家やアナリスト向けの説明会の参加者からはあきらめに近い感想が漏れた。

【グラフ】デジタルカメラの出荷台数はピーク時の10分の1に

 キヤノンは同日、2019年12月期(米国会計基準)の業績について、売上高は3兆6250億円(前期比8.3%減)、営業利益は1880億円(同45.2%減)と、減収減益を見込むとした。7月の中間決算時点での予想から売上高を1200億円、営業利益は270億円引き下げ、業績予想の下方修正は今期3回目となる。

■米中貿易摩擦の長期化が影響

 業績悪化の背景についてキヤノンは、為替が円高に推移していることや米中貿易摩擦の長期化による世界経済の減速を挙げた。「カメラメーカー」のイメージの強いキヤノンだが、プリンターやオフィス向け複合機、半導体露光装置など、法人を主要顧客とするBtoB事業を幅広く手がけている。

 度重なる下方修正には、ヨーロッパでのプリンター関連の減収や、半導体露光装置と有機EL蒸着装置など産業機器関連で顧客の設備投資が鈍化したことなどが含まれている。

 ただ、プリンターを含むオフィス事業の売り上げは前期(2018年12月期)比で6%減にとどまる見通しだ。産業機器事業の売り上げも前期比11.3%減収するとみられるが、半導体市況の回復や有機ELパネルの需要増が今後見込まれることから先行きは暗くない。

 それでもキヤノンが3回目の下方修正を迫られたのはなぜか。それは主力事業であるカメラ事業が不振だからだ。

 キヤノンは7月の中間決算時に300億円の構造改革費用を計上した。その中にはカメラの生産・販売体制の見直しが含まれている。

 ほかの事業と比較してもカメラ事業に明るい未来は見えない。10月の決算時に公表された最新見通しによると、2019年12月期のカメラ事業の売上高は前期比20.2%減の4747億円を見込んでいる。

 苦戦する理由の1つは、スマートフォンの普及などで写真を撮影するためにカメラが必要とされなくなっていることだ。カメラ映像機器工業会によれば、日本のデジタルカメラの出荷台数は2010年の1億2146万台をピークに急減。2018年には1942万台となり、ピーク時の約10分の1になった。

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最終更新:11/7(木) 17:35
東洋経済オンライン

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