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「お金自体を使わない」世界が広がっていく必然

11/7(木) 5:45配信

東洋経済オンライン

電子マネーにキャッシュレスサービス、仮想通貨(暗号資産)、ブロックチェーン。今、フィンテックという言葉のもとに、あらゆる場面の根幹にある「お金」のあり方が変わり始めた。インターネットと社会の関係を長年研究する著者は、この先「貨幣経済が衰退する可能性は高く、その未来にまったく異なる世界が立ち上がる」と主張する。新著『2049年「お金」消滅 貨幣なき世界の歩き方』から一部抜粋して解説していく。

■「無料化」の流れが止まらないわけ

 私はキャッシュレスこそがこの先「お金」が消えていく出発点だと認識しています。一方でキャッシュレスの動きとは別に「お金」を「使わない」「稼ぐ必要が無い」世界というものも急速に拡大し始めています。

 資本主義の社会には唯一の原理があります。それは貨幣を多くコントロールできる主体が勝者である、というものです。この原理にもとづき、資本主義の勝者になるには、手元に多くの資金を保持していることが条件で、そのため富裕層から最貧層にいたるまでを等しく貫く行動原理として「使わないで済むならお金は使わない」という原則的な考え方があります。

 そうした社会の中で事業を行っていくことを前提に、ユーザーたちから選ばれることを至上とするのであれば、「無料」であることが最強となります。

 ただし無料化という戦略に対しては様々な意見があります。大会社であれば、無料でサービスを提供し、多くのユーザーを獲得しながら、その商流のデータを用いて、たとえば広告に応用することで収益を得るような方法を考えることもできるでしょう。

 他方、イラストレータのような個人事業主にとっては、絵を描く時間そのものが価値で、かけた時間に対しての対価が必要だというのが現在の一般的な考え方です。イラストやアイデア出しなど、プロにただで頼むな、という論調はその最たるものです。

 とはいえ無料化が最強の戦略だということについては、今現在、そのとおりのことが起きていると言わざるを得ません。

 たとえばSNSサービスであるfacebook と検索サービス等を手がけるGoogle はいずれも、もはや生活と切っても切り離せないサービスを展開しており、Apple やAmazon と並んで、今や「GAFA」という括りで世界最強の企業群とも言われています。

 ここで注目すべきは、世界最強企業のうちの2社が「無料」を掲げている、ということです。

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最終更新:11/7(木) 5:45
東洋経済オンライン

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