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「クリスチャンダダ」がブランド休止 「ダダという船での航海は終わった」

11/7(木) 10:00配信

WWD JAPAN.com

森川マサノリが2010年に立ち上げた「クリスチャンダダ(CHRISTIAN DADA)」は、20年1月をもってブランドを休止する。04年から傘下に入っていたシンガポールの企業ディーリーグ(D’League)グループとのビジネスパートナーとしての契約解消によるもので、6月のパリ・メンズ・コレクションで発表した20年春夏コレクションは生産せず、東京・南青山の直営店を12月22日に閉店する。台北とシンガポールの直営店はディーリーグ グループが運営するため、閉店時期は未定。森川は20年1月で退社し、日本の13人の社員は解散する予定だ。新たな出資候補の企業との間でクリスチャンダダの株式譲渡の交渉中のため、ブランドが継続する可能性はあり、「早ければ21年春夏シーズンに復帰するかもしれない」と森川。しかし同氏はすでに新たにベンチャーキャピタル事業で11月に起業し、ほかにも新規事業で2社を立ち上げる準備を本格的に進めており「今の『クリスチャンダダ』でやり残したことはない」と述べる。

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同ブランドは14年に株式の51%を売却してディーリーグ グループの傘下に入り、パリ・メンズの公式スケジュールでショーを行うなど海外でのビジネス拡大を強化して、海外の販路を増やすとともにブランドの規模も大きくなっていった。東京と台北、シンガポールに直営店を開いたほか、19-20年秋冬シーズンの卸先は国内と海外共に約25アカウントで売上高は非公表ながら増えており、負債はないという。一ブランドのビジネスとしては深刻な状況ではないように思える。しかし森川は親会社への感謝を述べつつも、昨今のファッションビジネスの多様化に「卸主体のビジネスモデルに限界を感じていた」。さらにアジアで高級時計「リシャール・ミル(RICHARD MILLE)」やジュエリー「ブシュロン(BOUCHERON)」のマネジメントや小売りを担い、成功させてきたディーリーグ グループとは、ブランディングの方向性にズレが生じていた。両者が思い描く売り上げの規模にも差があったのかもしれない。「1年前から、『クリスチャンダダ』の体制からクリエイションまでを全面リブランディングする案は出ていた。ビジネスの方向性をより絞っていきたいディーリーグ グループに対し、自分自身は複数のブランドで新しいビジネスモデルに挑戦がしたかった。しかし契約上、1つのブランドしかデザインできなかった」。会社の体制はそのままに、リブランディングしてクリエイションの方向性の舵をきることは考えなかったという。「パリに出てメゾンと肩を並べたことで、今の『クリスチャンダダ』単体では限界を感じていた。メゾンが大河だとしたら僕たちはせせらぎ。1本のせせらぎを大河にすることは難しいけれど、たくさんのせせらぎを集めれば大河にできるかもしれない。だから10年という節目を機に『クリスチャンダダ』という船での航海は終わったという心境だ」。

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最終更新:11/8(金) 10:09
WWD JAPAN.com

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