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「実店舗から見れば EC は『売れない店』にすぎない」:日本のあるEC事業責任者の告白

11/8(金) 12:01配信

DIGIDAY[日本版]

オンラインとオフラインのマージは、水と油を混ぜようとするのに似ているのかもしれない。

リアルとデジタルをいかに組み合わせ、相乗効果をもたらすか。リテールにおいてもオンラインを主戦場としてきたAmazonやD2Cブランドたちがリアルリテールへの進出に意欲的に取り組んでいる。その一方、リアルリテール主導で成長してきた企業の場合、ときにECは一店舗と見なされその価値を認められないことがあると、アパレル小売のEC事業責任者を務める幹部は話す。

以下はその抜粋だ。読みやすさを考慮し、多少編集を加えてある。

ーーEC部門はどのような位置付けなのか。

本社は実店舗を主力とするアパレルリテーラーで、展開するカテゴリー内では上位クラスだ。大型店舗を展開する体力もあり、店舗の売上げが利益につながる典型的な「小売業」。プライベートブランドも保有するが、主力はあくまで仕入れ商品だ。

リアルが圧倒的な分、グループ全体の売上に占めるECの割合は高くはなく、8:2から9:1ほど。そのため、残念ながら経営へのインパクトという意味ではECは下位部門のような見方をされてる節はある。もちろん、自社ECだけでなく各ECモールやAmazonのようなプラットフォームサービスでのセールスもすべて我々EC事業部門が担当しているが、規模感のある実店舗群の前では、象と蟻ほどの差を感じる。

ーー下位というのは投資額的な意味なのか。あるいは、組織的に?

組織としてはリアルリテールとECは別会社だが、両者が対等なのではなく、店舗という大きなカテゴリーのなかにECも内包されているような状態をイメージしてもらえばいい。たとえば社内環境もリアルが基本で、交代で土日や祝日も出社する、各ECの責任者は「店舗責任者」、オペレーターなどは「販売員」と呼ばれる。EC部門の所属であっても実店舗で定期的に販売員として出社することもある。

EC部門内で責任的な立場になると店舗販売は免除されるが、私自身は異業種からの転職組で、ジョインしたばかりのころは店舗販売を指示され困惑した記憶がある。それまではその姿を想像したこともなかった顧客の姿を、実際に目にする意味はあるとは思うが、本来の業務にかける時間を取られてしまうことにもなる。さすがにコンスタントに店舗の販売員を兼任するというのは厳しい。

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最終更新:11/8(金) 12:01
DIGIDAY[日本版]

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