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なぜビームスは全国160店舗すべて違うのか?――ビームス流“飽きられない”店づくり

2019/11/8(金) 17:12配信

文春オンライン

「半歩先を行く」ために「3歩先を見る」



 店舗空間で「らしさ」「統一感」を出すための方針は、どのようなものだったのか。



南雲 時代の移り変わりとともに、価値観もまた変化していくのは、いつの時代、どんな地域でも共通ですよね。時代によって当然ビームスも変化するけれど、気づけばいつも「その時代ごとにいいポジション、いいスタンスで存在しているね」と言われていたいんです。

 そのためにうちの代表・設楽洋が挙げているキーワードは、「半歩先を行く」。

 店を訪れていただくと、現実の半歩先の世界を体験できる、そういう空間を生み出せたらと思っています。

 でも、「半歩先」を具体的な形にして世の中へ提示するには、常に「3歩先が見えている」必要があります。結構先まで読んでおかないといけないんですよ。

 店舗内装でいえば、グローバルなインテリアのトレンドや、次代のスタンダードを見据えておく必要があります。

 今すでに出回っている情報を集めてストックするのでは遅いし、足りない。じゃあどうするか。日頃ふと感じる「小さな始まり」に敏感でいる感性を持つのが大切です。

 後に大きなムーブメントになる物事を、世の中で流行る前に見つけ関わりを持ち、体験して好きになる。そうして一緒に成熟していけると、時代の先を行けると思っています。

90年代初めには北欧デザインにハマっていた



 たとえば、店の空間づくりを手がけ始めた1990年代には、「ミッドセンチュリーモダン」や「北欧テイスト」をいち早く取り入れた。この頃かかわった代表的な店として渋谷のビームス タイム(現在はピルグリム サーフ+サプライとビームス ウィメン)などがある。



南雲 20世紀半ばのプロダクトをお手本とする「ミッドセンチュリーモダン」の家具やデザイン、建築は、私自身が深く傾倒したものです。

 好きで買い集めた家具と同様のデザインや写真集からのイメージなどを、店舗デザインの一部として用いたりもよくしました。

 中でも北欧デザインは今や大流行を経て、すっかりスタンダードとして定着しましたね。90年代初頭にはまだそんな状況はなかったんですが、私は北欧のものづくりとライフスタイルのセンスにその頃からハマって、頻繁に渡欧していました。



 北欧への情熱と知見が見込まれ、ビームスが94年、初めて家具を扱う「ビームス モダンリビング」を出店した際には、中心となって店づくりに携わり、95年にはMDとしても関わることとなった。

「半歩先を行く」には、ファッションだけを見ていてはいけない、隣接するカルチャーへの目配りが欠かせないとも南雲さんは語る。

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最終更新:2019/11/8(金) 17:12
文春オンライン

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