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12歳で長崎から上京した深浦康市九段が、愛弟子・佐々木大地五段に何よりも望む「恩返し」

2019/11/8(金) 11:00配信

文春オンライン

我らが「地球代表」は、「将棋星人」羽生善治九段と藤井聡太七段の将棋をどう見るのか から続く

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「大丈夫か? お前!」

 2019年6月3日。王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦、藤井聡太七段と佐々木大地五段の対局の際、弟子の指した一手に思わず解説を務める師匠・深浦康市九段が口にしたこんな言葉が話題になった。この一言について聞くと「あれは解説じゃなかったですね」と、深浦九段は恥ずかしそうに笑みを見せた。

 深浦九段といえば、弟子である佐々木大地五段との「師弟愛」にも注目が集まっている。盆暮れの挨拶だけという師弟関係もあるなか、なぜ深浦九段は、弟子との密な関係を築いているのか――。深浦康市九段インタビューの後編となる本稿ではこの師弟関係の話から探っていこう。

(全2回の2回目/ #1 より続く)

◆ ◆ ◆

深浦が東京・関東圏の弟子を取らない理由

深浦 自分には、奨励会に5人と佐々木の計6人の弟子がいますが、北海道が1人であとはみんな九州出身です。というのは、東京や関東圏の人は弟子に取らないようにしているんです。

――それはなぜですか。

深浦 自分は長崎の出身で、地元の方から手を差し伸べてもらい、師匠(花村元司九段)などにも橋渡しをしてもらったという恩がありますから。できるだけ、プロ棋士となかなか出会えない地方出身者から弟子を取ろうと思っています。

――とはいえ、東京の方から弟子になりたいという話はありませんか。

深浦 「ぜひ弟子にしていただきたい」という手紙をもらったこともありますが、「東京には他の棋士の方もいますので、すみません」とお断りをしました。ちょっと申し訳なかったですね。



 プロ棋士の養成機関である奨励会への入会は、定期的に東京か大阪にある将棋会館に通わねばならないということを意味する。棋士に地方出身者が少ない原因には、こういった地理的要因があり、奨励会入会を期に家族で引越しをするケースも少なくはない。

 長崎出身の深浦九段は、12歳で奨励会に入会。このため長崎をひとり旅立ち、埼玉の親戚宅に居候する。そして中学を卒業と同時に、アパートを借りて一人暮らしを始めている。



――それからは、ひとり将棋だけに向き合って……。

深浦 そうですね。高校進学もほとんど考えなかったですね。

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最終更新:2019/11/8(金) 11:18
文春オンライン

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