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トヨタ、過去最高益の裏にある新次元の「ケイレツ搾取」【決算報19秋】

11/8(金) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 トヨタ自動車の2020年3月期上半期の決算は、売上高と純利益で過去最高をマークし、絶好調となった。しかし、トヨタグループの“ケイレツ”筆頭格であるデンソーやアイシン精機は減収減益に終わっている。トヨタが笑い、サプライヤーが泣く。この対照的な構図の裏には、現在、自動車業界で起きつつある新次元の「ケイレツ搾取」があった。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

【トヨタ自動車の連結業績の推移はこちら】

● お家芸の原価低減と新型車の発売で 着実に利益を積み上げる

 果たして、トヨタ自動車は“無敵”なのか。

 米中貿易摩擦、中国減速、円高――。2020年3月期の上半期決算では、国内製造業に「三重苦」が直撃し、下方修正ラッシュとなっている。

 ところが、ことトヨタについては、それらの苦しみとは無縁だったようである。連結ベースで売上高は前年同期比4.2%増の15兆2856億円、当期純利益は同2.6%増の1兆2750億円と、二つの主要指標で過去最高(上半期)を更新しているのだ。

 好調の理由は大きく二つある。

 一つは、“お家芸”として着々と進める原価低減だ。主要国での環境規制への対応や、ライバルに負けないための基本性能の向上のために、製造原価は上昇している。しかし、それをカバーするだけのコストダウンに成功した。TNGAと呼ばれる共通プラットフォームを用いた車両造りの洗練化や、部品コストのさらなる削減などによって、利益を捻出できたのだ。

 そしてもう一つが販売台数の増加だ。実はこの上半期に、トヨタは販売台数でも過去最高をマークしている。

 実は、むしろ主要国の市場環境は厳しい。中国やインド、インドネシアなどのアジア市場は需要が減少傾向にあるし、北米市場でも若干縮小している。

 この向かい風を、トヨタは新型車の投入で打ち返した。例えば、出遅れていた中国では、元安の影響で中国事業全体の利益こそ前年同期比で減少したものの、18年に発売したレクサスの新型ESや今年発売した新型カローラで販売数を伸ばした。

 また北米では、今年発売した新型RAV4やカローラが好評だ。そのため、無駄なインセンティブ(販売奨励金)を払わずに済むようになり、営業利益(所在地ベース)が前年同期比62.2%も増加している。

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最終更新:11/8(金) 10:05
ダイヤモンド・オンライン

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