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遠藤航、移籍2カ月半後のドイツ初戦。トップ下出場も「大きなステップ」。

11/8(金) 19:01配信

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 5分にも満たなかったプレー時間は、しかし遠藤航にとって、かけがえのないひと時となったようだ。

【写真】U-17時代のヤンチャ可愛い柴崎、南野、堂安、中島に12歳でバルサ君臨の久保、ロン毛時代の長谷部&本田にギラついた頃のカズ、ラモス、川口。

 “デビュー”を飾った日本代表MFは、試合後、喜びを噛み締めた。

 「僕にとっては大きな一歩だと思います」

 11月3日、辺りの街路樹が色付いた葉を落とすメルセデスベンツ・アレナ。

 ブンデスリーガ2部第12節、対ディナモ・ドレスデン戦。3-1のリードで迎えた89分のことだった。遠藤は、VfBシュツットガルトの選手として、初めてホームスタジアムのピッチに立ったのである。

 「交代で10番のポジションで出るって言われたので、少し驚きました。でも、84分に3-1になって。5~10分ぐらいの時間でしたけど、残り少ない時間の中でも何回かチャンスは作れるかな、といったイメージは持っていました。アシストになれば良かった場面もありましたけど、1つ高い位置でプレーをしたので、ああいう関わり方が少しの時間でも出来たのは良かったかな、と思います」

5分足らずの出場でも貴重な一歩。

 試合の行方は決まっていた。

 ピッチに立った時間は、アディショナルタイムを入れても5分に満たなかった。必然的にボールを触る回数は少なく、勝利に貢献したとは言い難い。それでも遠藤にとっては、ドイツの地で踏んだ貴重な一歩となった。

 8月にベルギー1部のシント=トロイデンVVから1年間の期限付きで加入して、およそ2カ月半の月日が過ぎていた。気付けば夏の青い空は、秋の厚い雨雲に覆われている。

 「普段の練習は6番のポジション(アンカー)でやっているので、トップ下で出たのはちょっとサプライズでした。だけど、まだ監督から6番で出す、もっと早い時間に途中交代で出すほどの信頼は勝ち取れていないと思っています。それでも試合に使うというチョイスを、監督が僕にしてくれたこと自体が大きなステップだと思いますね」

「自分と向き合った」2カ月半。

 ようやく訪れた出場機会。事前にティム・バルター監督からドレスデン戦で起用するといった話はなかったという。しかし、後ろ髪がない気まぐれな女神にも例えられる「チャンス」の性質を、遠藤は心得ていた。

 「中盤にいい選手が多いのは分かっているので、僕は練習からしっかりハードワークし続けるだけです。そして、今日みたいにこうやって急にチャンスが巡ってくることを常にイメージしながら準備はしていました。まずはこのドレスデン戦で試合に出たことが大事だし、また練習からしっかりやっていくことが重要だと思います」

 そしてなかなか「チャンス」に恵まれなかったにもかかわらず、この2カ月半を遠藤は「しっかり自分と向き合ういい時間だった」と言う。公式戦のベンチに入ったり入らなかったりを繰り返す中、思うようにいかない時間も経験になる…そんな風に考えていた。冷たい風が吹き始めた9月の終わり、アルミニア・ビーレフェルト戦の後では、次のように話している。

 「これだけ試合に出場できていない状況というのは、プロになって初めてですけど、これもいい経験だと思いますし、こういう時間こそが大事なのかな、と思ってやっています」

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最終更新:11/8(金) 19:01
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