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ふるさと納税の落とし穴 医療費次第で自己負担増も

11/9(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

「ふるさと納税で特産品をたくさんもらった!」と、喜びの声を聞く季節。「今年はイデコも始めたし、医療費控除もあるから、税金が安くなりそう!」と減税に期待する姿も。でも、あなたのふるさと納税、思い込みになっていないだろうか。

ふるさと納税は、自治体への寄付金のうち2000円を超えた金額を「寄付金控除」として翌年に納める住民税から差し引く制度。控除とは、税金を計算する過程や最終的な税額から一定金額を差し引くこと。多いほど納める税金は少なくなり、家計は助かる。

ふるさと納税制度の賛否はあるが、寄付を受けた自治体から特産品がもらえるとあって、昨年は約395万人が控除を利用した。だが特産品に目を奪われ、税金の仕組みの理解が後回しになっていると「実は控除の枠を超えていた!」という事態が発生する。制度をよく確認しよう。

■他の控除を使うと、ふるさと納税の「目安額」が変動

まず寄付金控除の範囲でふるさと納税を行いたいのであれば、自己負担が2000円で済む寄付の上限である「目安額」を把握しておきたい。

目安額はシミュレーションサイトなどで、昨年分の源泉徴収票や確定申告書(2018年分)を参考に試算できるが、実際の額は寄付する年の状況で決まる。

仮に昨年と今年の収入が同じだとしても、個人型確定拠出年金(イデコ)を始めて「小規模企業共済等掛金控除」を年末調整で申告したり、今年の医療費について「医療費控除」を確定申告したりする場合、所得税が下がり住民税も下がる。住民税が下がった結果、ふるさと納税の目安額も下がる。正社員の配偶者が仕事を減らしたり辞めたりして、給与収入が年間約201万円以下になって「配偶者控除・配偶者特別控除」を使うケースも同様だ。

年末時点で扶養している家族の年齢が16~18歳または23歳~69歳になった場合の「扶養控除」や、子供が19~22歳になって「特定扶養控除」が使える場合、生命保険や地震保険に加入した時の「保険料控除」なども控除が増え、税金が少なくなる。ふるさと納税の目安額を計算する際は、今年利用する予定の控除も踏まえて計算しておこう。

具体例として、年収600万円、フルタイム共働き(中学生までの子供2人)のケースでみてみよう。

図表(1)は他に控除を利用しない「基本」の状況。自己負担2000円となるふるさと納税の最大金額は7万6000円だ。(2)医療費が20万円かかり、医療費控除10万円を確定申告する場合、ふるさと納税の目安額は7万4000円に減る。医療費控除はないが(3)イデコが年額27万6000円だと目安額は7万円だ。さらに(4)医療費控除10万円とイデコの両方を利用すると、目安額は6万7000円まで下がる。

ふるさと納税の控除額を年収だけで判断していると、思わぬ負担が生じやすい。(4)の場合なら、2000円の自己負担で済むと思っていたら、9000円分の寄付控除が受けられず、結果的に1万1000円の自己負担で特産品をもらったということになってしまう。

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最終更新:11/9(土) 7:47
NIKKEI STYLE

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