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今年のドラフトで“影の主役”となったオリックス2位の紅林弘太郎。目標は「守れて長打が打てる大型遊撃手」の坂本勇人

11/9(土) 7:10配信

THE DIGEST

 今年のドラフト会議で“影の主役”と言われていたのが、駿河総合高の大型内野手、紅林弘太郎だった。
 
 紅林を2位ないし3位で狙っていたチームは少なく、その運命の扉をどのチームが開くのか、動向に注目が集まっていた。いざ蓋を開けてみると、全体2番目の2位指名権を得たオリックスが、紅林の名を読み上げた。
 
 オリックスは1位入札で東邦高の石川昂弥を抽選で外していた(中日が交渉権を獲得)。もし石川を引き当てていれば、紅林の指名はなかっただろうから、不思議な巡り合わせと言えるだろう。

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 果たして、彼の将来にはどんな運命が待っているのだろうか。
 実はドラフト当日、ちょっとしたハプニングがあった。
 
 地元各局のテレビカメラを含む報道陣や野球部部員、学校関係者がギッシリ入った会見場、トラブルによりドラフト中継のテレビが止まってししまったため、リアルタイムでの視聴ができなくなったのだ。
 
 そんな中、駿河総合の望月俊治監督に電話が入る。

 すると、スマートフォンを見ながらリアルタイムで追っていた部員から大きな歓声が起こった。監督から電話を代わる紅林。電話の主は、望月監督の島田商業時代の教え子で、その後オリックスに入団した仁藤拓馬氏だった。仁藤は体調面の問題で引退し、現在は球団職員として広報関連の仕事をしているのだが、牧田勝吾担当スカウトの粋な図らいにより、サプライズは生まれたのだった。
 
 望月監督は言う。「牧田君は何度か足を運んでくれていた。直前に話をした時は他に持っていかれちゃうかななんて話をしてたけど、指名させていただいた際には仁藤に連絡させますと言ってたんですよ」
 
 紅林を担当したオリックスの牧田スカウトは 地元・静岡県藤枝市出身。そうした縁も重なり、紅林の運命の扉は開かれたというわけだ。

 現在のオリックスの内野陣は熾烈なレギュラー争いを繰り広げている。西村徳文監督は、複数ポジションを守れる選手を好んで起用しているが、紅林にポジションのこだわりを聞いてみた。
 
「僕はこの体(186cm)でショートを守れるところを評価してもらえたと思っているので、ショートを守りたいです。ショートのレギュラーをつかみにいきます」
 
 もちろん、「まずは一軍に出ることが最優先。そのためにサードをと言われたらやります」と現実を踏まえた上での発言だが、ショートというポジションに関しては「小学校の頃から憧れ」であり、高校までずっと一本でやってきたという自負もある。そして何より、目標である坂本勇人(巨人)の存在が大きい。
 
「坂本さんはすべてにおいて尊敬できる存在。僕は坂本さんみたいになるのではなく、坂本さんを超える選手にならなきゃいけない」
 
 プレースタイルとしては坂本のような「ショートが守れて長打が打てる」スタイルを目指すが、それを「超える」という言葉を付け加えたところに、紅林の志の高さを感じる。
 望月監督は紅林について「大きく育てなきゃいけないと思った。彼が欲を出してくれれば大丈夫。ああ見えて物怖じをしないタイプなので、オリックスという若いライバルが多いチームには合ってると思う」と太鼓判を押していたが、その言葉を裏付けるように貪欲な気持ちを全面に出している。
 
 オリックス、ソフトバンクとの競合の末、中日がドラフト1位で引き当てた同級生の石川をライバルとして意識し、今年、国際大会対策研修合宿での対戦でスライダーに手が出なかった佐々木朗希(ロッテ1位)に対しても「プロの舞台でリベンジ」を誓うなど負けず嫌いな一面も覗かせている。
 
 そんな紅林が描く野球生活のビジョンは「絶対に侍ジャパンに選ばれる選手になります!」。そして「メジャーはチャンスがあれば……」と、その先も見据えている。
 
「まずは一軍ですね、しっかり体を作って、2年後、3年後にはレギュラーになって、チームに貢献したい。活躍することを見せることが皆さんへの恩返しになるので、頑張ります」
 
 高校に進学してから「プロに対する意識が芽生えた」と紅林は言う。「2位で指名という高い評価をしてくれたオリックスさんには感謝しかない」という謙虚な気持ちと、「息の長い選手になってもらいたい」という望月監督の思いを胸に、プロ生活をスタートさせる。

最終更新:11/9(土) 7:10
THE DIGEST

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