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「U-2」偵察機は、なぜそんなにすごい航空機なのか。

11/9(土) 21:10配信

エスクァイア

「U-2」偵察機は、あのなぞに包まれた「エリア51」(アメリカ空軍によって管理されているネバダ州南部の一地区)の秘密そのものであり、国際的な事件の情報源でもあります。この「U-2」はCIAの資金により開発され、1955年(昭和30年)8月4日に1号機が進空して以来、冷戦時代から現代に至るまで…60年以上にわたってアメリカの国防施策にとって貴重な情報源となっています。

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◇アメリカ対ソ連の時代

 1962年10月27日、世界は小さな島国のキューバを固唾(かたず)を呑んで見守っていました。アメリカ、ソ連という2つの超大国が、このとき核戦争へと向かってまっしぐらに突き進んでいくかのように見えたからです…。しかしながら、カリブ海で大きなドラマが繰り広げられている間に、もうひとつの国際事件が東シベリアで秘かに起こっていたのでした。 

 ソ連の核実験を監視するミッションの一環として、米軍パイロットであるチャールズ・W・モルツビー大尉は、北極へ向けて飛行する指令を受けていました。GPSができるはるか以前のことであり、北極近くではコンパスが役に立たないためにモルツビーは、昔の船乗りのように六分儀(天測法や正中緯度法、地文航法などに使う船の道具)と空の星だけを頼りにして飛行していました。

 ところが帰還している最中、オーロラのせいでモルツビー大尉は星の見分けがつかなくなり、いつの間にかソ連の領空を侵犯してしまっていたのです。

 通信機器は距離が遠いため使用することができず、ソ連の通信係からはソ連領空のさらに奥へと侵入させようとする妨害が入ります。アメリカの偵察機を撃墜せよとの指令を受けた「ミグ19(MiG-19とはソ連初、世界で2番目の超音速戦闘機)」が、すでにソ連の複数の基地からスクランブル発進していました。 

 窮地に陥ったモルツビー大尉ですが、彼は経験豊富かつ有能なベテランパイロットです。冷静さを失うことなく、ソ連のラジオ放送を受信した場所から位置を割り出し、安全な空域へ脱出できることを願って飛行コースを修正していました。

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最終更新:11/9(土) 21:10
エスクァイア

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