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日本代表に初選出。進藤亮佑、荒木隼人、古橋亨梧、オナイウ阿道がチームにもたらす新たなオプションとは?

11/9(土) 10:04配信

フットボールチャンネル

日本代表は14日に2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選・キルギス戦、19日にキリンチャレンジカップ2019・ベネゼエラ戦を戦う。2試合で9人を入れ替える変則的なメンバー選考により、進藤亮佑、荒木隼人、古橋亨梧、オナイウ阿道が初選出。彼らが日本代表にどのようなプレーをもたらすのか、彼らの特徴を見ていきたい。(文:河治良幸)

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●変則的なメンバー選考

 日本代表の森保一監督は今月14日にアウェーで行われるカタールワールドカップ・2次予選・キルギス戦と19日に大阪のパナソニックスタジアム吹田で行われるキリンチャレンジカップ・ベネズエラ戦に向けたメンバーを発表した。

 これまでと大きく異なることが2つある。堂安律、久保建英、板倉滉という3人のU-22の選手が17日のU-22コロンビア戦メンバーに選ばれ、そちらの活動に専念するためA代表の選考から外れた。そしてキルギス戦のメンバーに選ばれた16人の欧州組のうち、9人をそのまま所属クラブに戻し、日本で行われるベネズエラ戦のために9人の選手を加えることとなった。

 ここまで3連勝の日本はキルギスに勝利すれば、2次予選突破に大きく前進することになり、東京五輪の指揮を兼任する森保監督も、来年のチーム作りを非常にしやすくなる。そのキルギス戦は上記の3人、さらに怪我の冨安健洋と「よりコンディションのいい選手を今回は招集」(森保監督)という理由で大迫勇也が前回に続き外れたところは鈴木武蔵、山口蛍、佐々木翔といった実績のある復帰組で埋められた。

●4人が代表初招集。その特徴は?

●キルギス戦のみ参加の欧州組9人

シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(マルセイユ)
長友佑都(ガラタサライ)
安西幸輝(ポルティモネンセ)
遠藤航(シュトゥットガルト)
伊東純也(ゲンク)
南野拓実(ザルツブルク)
鎌田大地(フランクフルト)

●ベネズエラ戦のみ参加の国内組9人

中村航輔(柏レイソル)
三浦弦太(ガンバ大阪)
進藤亮佑(北海道コンサドーレ札幌)
荒木隼人(サンフレッチェ広島)
車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
大島僚太(川崎フロンターレ)
井手口陽介(ガンバ大阪)
古橋亨梧(ヴィッセル神戸)
オナイウ阿道(大分トリニータ)

 このうち中村、三浦、車屋は“森保ジャパン”経験者だが、ロシアワールドカップに出場した大島は昨年9月に招集を受けたものの怪我で辞退して以来、井手口はそのW杯最終選考で惜しくも外れ、トレーニングパートナーとして参加して以来の復帰になる。

 そして進藤、荒木、古橋、オナイウは初招集。森保監督は「なかなか招集機会のなかった選手、初招集の選手と活動する中で、選手たちの特徴を知る。個人としても代表としても経験値をあげて、経験の浅い選手には貴重な経験で、個の成長につながる」と意図を説明した。

 23歳の進藤は北海道コンサドーレ札幌のアカデミー出身。記憶に新しいところでは、札幌を初のルヴァンカップ決勝へと導いた立役者の一人であり、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の攻撃的なスタイルを最終ラインから支えている。アグレッシブな守備と攻撃参加が持ち味で、札幌では3バックの右から攻守に渡るデュエルの強さと機動力を見せる。

 J1においてDF登録の選手としては今季最多の6得点を記録しており、セットプレーの流れから4得点、流れから2得点をあげている。特に第10節のヴィッセル神戸戦では豪快なオーバーヘッドでゴールを決めて話題を呼んだ。本職はセンターバックだが4バックであれば右サイドバックもこなせるため、酒井宏樹が抜ける状況で、森保監督は両ポジションで考えているかもしれない。

●大卒ルーキーと、J2で頭角を表した苦労人

 同じく23歳での初選出となった荒木はサンフレッチェ広島のアカデミー出身だが、関西大学に進学し、昨年は特別指定選手としてプレー。そして加入1年目で主に3バックのリベロとしてスタメンに定着し、タイトなディフェンスを支えている。185cmの体格ながら俊敏性とクレバーさも光る選手で、カバーリングの範囲も広い。

 4バックのセンターもしっかりとこなせるが、もし今回のベネズエラ戦で森保監督が3バックにトライするなら、いきなり中央でスタメン起用されてもおかしくない。また荒木も今季リーグ戦で2得点を記録しており、高さだけでなく味方が触ったボールにいち早く反応して押し込むなど、勝負強さも代表定着の鍵になるかもしれない。

 今回初めて選ばれた4人の中でも待望論が多く出ていたのが古橋だ。大学卒業後にJ2のFC岐阜で頭角を現した苦労人だが、ヴィッセル神戸に加入してからアンドレス・イニエスタら良質な外国人選手と見事なハーモニーを奏で、ここまでリーグ9得点8アシスト。神戸の攻撃にも欠かせない存在となっている。

 特徴はスピード自慢でありながら走力に頼らず、状況に応じて緩急や出しどころを心得ていることだ。ペナルティエリア内での落ち着きが素晴らしく、トップスピードでボールを受けても、ファーストコントロールから冷静にDFやGKの状況を見極めてフィニッシュできる。

 中央大学の在籍時に全日本大学選抜の経験はあるものの、24歳にして国際経験がほとんど無いのはネックではある。しかしながら、イニエスタをはじめダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキといったワールドカップでも優勝経験のあるスターと積極的にコミュニケーションを取って良質なコンビネーションを築き上げており、メンタル面の不安はほとんどない。あとはJリーグと異なる国際舞台のインテンシティーに適応できるかが注目ポイントになってくる。

●世代別代表では悔しい思いをしてきたFW

 もう1人はオナイウ阿道。ナイジェリア出身の父を持ち、高校卒業後にジェフ千葉に加入したストライカーは、非凡な身体能力と攻撃センスを評価され、南野拓実らと2014年のAFC U-19選手権のメンバーに選ばれるも準々決勝で敗退し、世界を逃した。またリオ五輪代表の候補としてU-23アジア選手権の優勝に貢献しながら本大会ではメンバーから外れるなど、世代別では悔しい思いをしてきた選手でもある。

 J2の千葉で3シーズン在籍したのち2017年に浦和レッズに移籍したが、なかなか出番に恵まれず、期限付きで移籍したJ2のレノファ山口で昨年22得点とブレイク。今年は大分トリニータで昇格クラブの前線を引っ張り、前半戦でゴールを量産していた藤本憲明が神戸に移籍してからは実質エースとして奮闘している。

 特徴はクロスに合わせる形とスルーパスに抜け出す形の両方で相手の脅威になれることだ。今年のリーグ戦であげた10得点もバリエーションが豊富。180cmと飛び抜けた長身ではないが、体が強くディフェンスを背にしての力強いポストプレーや競り合いを苦にしないFWだ。1トップに加えてシャドーのポジションでもプレーでき、終盤の得点が必要な状況では鈴木武蔵との2トップなども新たなオプションになってくるかもしれない。

 ベネズエラ戦は12月に国内組だけで臨むと見られるEAFF E-1サッカー選手権(東アジア選手権)での選考にも大きく影響しそうだが、2次予選から親善試合という特殊な日程で実現した貴重なテストの機会であるだけに、まずは常連メンバーがアウェーの地でキルギスにしっかりと勝利し、良い流れでベネズエラ戦に臨めるように持っていけることを期待する。

(文:河治良幸)

【了】

最終更新:11/9(土) 11:15
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