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なぜカリフォルニアには山火事が多いのか、その原因をひも解く

2019/11/9(土) 22:21配信

エスクァイア

 カリフォルニア州北部で猛威を振るう「キンケイド火災」は、電力会社PG&E(パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー)の送電線が2019年10月23日夜に故障した後に発生し、さらに数マイル東では27日朝に別の火災が発生。29日時点ですでに7万5000エーカー(約3万350ヘクタール)を焼き尽くし、124棟の建物が消失、2人の怪我人を出しています。

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 また、2019年10月28日未明に南部で起きた「ゲッティ火災」は、同州で最も交通量が多い高速道路沿いで発生し、数百万ドルの豪邸を中心とした何百もの家が危険にさらされました。

 このような大火災がカリフォルニアでは最近頻繁に起こり、威力が増して長期化しているように感じるかもしれませんが、まさにその通りなのです。

 山火事の原因は様々です。「キンケード火災」はカリフォルニア州北部地域の天然ガス、電力供給を行うPG&Eのずさんな管理体制のインフラが原因で、複数の大規模火災が発生しました。しかし他にも、たばこの吸い殻が原因だったり、ホームレスの野営地から広がったり、花火が原因だったこともあります。自然発生する火災ももちろんありますが、大部分は人間の不注意によるものだと「サンフランシスコ・クロニクル」紙は報道しています。

 カリフォルニアは多彩な地形をしているので、鎮火が非常に困難となります。消防士は深い渓谷や傾斜のきつい坂の中で消化活動をしなければなりません。しかし、小さな火元がこれほど大規模な山火事に発展するのは容易ではなく、様々な条件がそろう必要があります。

 ではなぜ、カリフォルニア州にはこれほど大火災が多いのでしょうか?

理由その1:気候変動

 火災の増加と激化に、気候変動が影響していることは明白です。

 近年、カリフォルニア州の気温は上昇し続けています。乾燥によりシエラネバダ山脈の積雪量は減り、春の雪解け水の量が減り、草木に必要な湿気が減少しています。このような環境では大火災が発生しやすく、急速に乾燥した草木に燃え広がることになります。

 「ニューヨーク・タイムズ」紙の報道によると、カリフォルニア州で史上最大の10件の火災のうち、9件が過去10年間に起きており、史上最も気温が高かった10年間のうち9年間が2000年以降に起きていることは偶然ではないでしょう。

 米海洋大気庁(NOAA)によると、史上最も気温が高かった2016年、世界の平均気温は20世紀の平均気温よりも0.99℃上昇しました。

 2016年にモントレー郡を襲った「ソベラネス火災」は、13万2000エーカー(約5万3400ヘクタール)以上を焼き尽くしました。次に気温が高かった2015年、2017年、2018年にはそれぞれ、「ヴァリー火災」(カリフォルニア州史上4番目に大規模な火災)、ベンチュラ郡の「トーマス火災」(11万4000ヘクタール消失)、そして「キャンプ火災」(同州史上最多の死者数)と「メンドシーノ・コンプレックス火災」(同州史上最大規模)が起きています。

 世界中で気温上昇が進み、生態系が乾燥していくことで、火災はより激しく頻繁となり、州の広範囲を燃やしていくことになります。ウェブメディアの「ナショナルジオグラフィック」によると、1970年代と比べて、カリフォルニア州で夏に火災が起きた土地の面積は8倍にもなっているそうです。

 また山火事シーズンも長期化しており、場合によっては75日も長引いているのだとか。「山火事シーズン」という概念自体、地球がまだ涼しかったころの古事だとも言われています。

 科学者によると、気候変動が環境にどのような影響をもたらすのか、完全には予測できないことが難しいところだそうです。

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最終更新:2019/11/9(土) 22:21
エスクァイア

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