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ホンダ8年ぶり減収減益見通し、過去最高益トヨタと「格差」のなぜ【決算報19秋】

11/9(土) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 11月8日、ホンダは2020年3月期の通期見通しを下方修正した。ホンダが通期で「減収減益」となるのは、実に8年ぶりのことだ。一方のライバルのトヨタ自動車は過去最高益を更新したばかり。ホンダとトヨタとの間に「格差」が生まれたのはなぜなのか。(ダイヤモンド編集部 浅島亮子)

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● 減収減益となるのは 震災・タイ洪水ショック以来

 国内製造業で相次でいる下方修正の波が、ホンダにも襲いかかった。

 11月8日、ホンダは2020年3月期通期の業績見通しを下方修正した。直近の見通しと比べて、売上高は6000億円引き下げて15兆500億円(前期比5.3%減)、営業利益は800億円引き下げて6900億円(同5.0%減)で着地する見込みだ。増益見通しから一転、減益となる。

 20年3月期上半期ベースでみても減収減益と振るわなかった。

 ホンダが通期決算で「減収減益」となるのは、実に8年ぶりのことである。最後に減収減益となった12年3月期は、東日本大震災の影響が残っていたタイミングで、今度はタイで大洪水が発生。ホンダの生産拠点が水没し、サプライチェーン(部品の供給網)の寸断が大きな問題となった。まさしく泣きっ面に蜂の状況で、有事の決算期だった。

 では、今回の不振は、どの程度深刻なのか。

 倉石誠司・ホンダ副社長は、「この上半期は一過性の影響と為替の影響がなければコストダウン効果が寄与して500億円の増益となっていた」と強気な姿勢を崩さない。下方修正はしたものの、ホンダの事業体質は前年並みをキープしているという説明である。

● ホンダ幹部の強気の根拠は?

 20年3月期(見通し)の営業利益は前年同期比で363億円の減益となる。その増減要因をみてみると、利益の足を引っ張っているのは、販売台数減少などの売上変動構成差(1339億円のマイナス)と為替影響(1380 億円のマイナス)が大きい。倉石副社長が言うように、そのマイナスをコストダウン(1340 億円のプラス)、販売費及び一般管理費の削減(780億円のプラス)などで補う構造にはなっている。

 だが、為替影響は予断を許さない上、「売上変動構成差」は一過性の問題とは片付けられない。特に足を引っ張っているのが、インド市場の二輪・四輪の販売不振と、国内市場での四輪の納期・発売遅れだ。とりわけ後者は、電動パーキングブレーキの不具合により、ホンダの主力車種である新型「フィット」と軽自動車「N-WGN(ワゴン)」の発売延期・生産停止を招いており、国内販売見通しを5.5万台引き下げる大打撃だ。

 さらに、かねてホンダの構造的な課題となっている「四輪事業の低収益性」はいまだ解消されていない。

 19年3 月期第4四半期に、四輪事業が営業赤字に陥ってから低空飛行が続いており、この第2四半期の営業利益率は3.7%(6カ月間。第2四半期3カ月間は3.0%)だ。

 震災やタイ洪水という突発的な災害が原因ではなく、部品の不具合や為替に加えて、四輪事業の低収益体質という構造的な課題がある今こそ、ホンダは「有事」にあると言えるのではないか。

 決算会見では、売上高、当期純利益、販売台数のトリプル項目で過去最高を記録したトヨタ自動車と絡めた厳しい質問が飛んだ。「ホンダと(営業利益率9.2%を達成した)トヨタとの差はどこにあるのか──」。

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最終更新:11/9(土) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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