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「田舎暮らしの人づきあい」都会育ちのアラフォーが実感したこと

11/9(土) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 東京の港区で生まれ育って「都会人」を自称する筆者が田舎暮らしの生活をスタートさせ、その様子をリポートするこの企画、前回、前々回で住み心地や虫問題について触れた。今回は最終回として、ご近所付き合いや土地の人柄について取り上げたい。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)

● 一番大きかったギャップ 人との距離感の違い

 田舎への移住を開始してそれまでの生活とのギャップやカルチャーショックをいくつか感じてきたが(過去記事『恐怖のGも出現!田舎暮らしを始めたアラフォーが苦悩する「虫との闘い」』、『都会育ちアラフォーが、妻子と猫を連れて始めた「田舎暮らし」の現実』を参照)、対人関係の違いへの驚きが最も大きかったかもしれない。

 「都会は人が冷たい。田舎は温かい」とよく聞くが、これはとらえ方次第なのではないかと個人的には考える。都会にも温かい人はちゃんと何人もいたし、田舎にもいた。だから都会と田舎、それぞれに住む人たちの人間性にそこまで大きな隔たりがあるとは感じていないが、田舎の方が人と人との距離感が圧倒的に近いのは事実である。その土地の空気を一緒に吸っているだけで同志と見なされるような人懐っこさを、新居に移ってから接したその土地の人たちに感じた。高齢の方が割合多く住んでいる地域だからというのもあるかもしれない。

● 娘が必ず褒められる 気持ちよくなりたい親は田舎がおすすめ

 田舎ではスーパーなどどこかに出かけると、ほぼ必ず一度は声をかけられる。1歳半になるわが娘は人をして「オムツが本当に似合わない」「ヘップバーン以来の衝撃」と言わしめるほど大変美人に育っていて、お世辞半分で聞いても親としては誇らしい限りであり、その娘がすれ違う人たちに褒められるのである。

 都会は違った。

 ばっちりとめかし込んだ子連れのママさんらは、当然自分の子どもが一番かわいいと思っているはずであるし、子連れの買い物自体修羅場のようなところがあるから余裕がなく、いちいち声をかけてきたりしない。たまにこちらにあえて聞こえるように「あの子超かわいい」とささやき合ってくれる子連れ夫婦に出くわし、「あの夫婦はわかっている。偉い」と悦に入り、好意から「あそこの子もよっぽどかわいかった」と自然と思わされることがあり、なれ合いではあるが善意が行き来する心地良い交流が生まれることがある。都会では得難いこの機会が、田舎では頻繁に得ることができる。

 近所に玄関先へ椅子を出してよく世間話に興じている高齢の女性2人がいて、足元には野良猫が数匹はべっている。娘を散歩させていると彼女らの前を通りかかるのだが、娘はそこでアイドルのようになっている。

 親としては彼女らに「優しく接して頂いて本当にありがとうございます」と思うとともに、気持ちいい。つまり気持ちよくなりたい日があれば、娘を散歩に連れてそちらの方面に向かえばいいお手軽さである。

 高齢者が多い、と先ほど書いたが、一般的に子どもをかわいいと思う高齢者は多く、田舎はさらに人との距離が近いので高齢者がすぐに娘を褒めてくれる。子持ちでわが子を他人にたくさん褒めてほしい人にはぜひ田舎への移住を推奨したい。

● 近所付き合い 共同体としての結束力

 “ご近所さん”という言葉の持つ意味合いは都会と田舎でまったく違うこともわかってきた。都会のご近所さんは「たまたま近くに住んでいる者同士というだけの縁。関係は良好に越したことはないが概ね他人」だが、田舎は「近くに住んでともに生きていくのだし、せっかくだから積極的に仲良くしましょう」という空気がある。

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最終更新:11/9(土) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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