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伊藤忠が4年ぶりに「商社首位」を奪還する理由

11/9(土) 5:40配信

東洋経済オンライン

 「4年ぶりに三菱商事を抜き、首位になれるかもしれない」

 総合商社2位・伊藤忠商事の社内が活気づいている。総合商社首位・三菱商事の2019年4~9月中間期決算が発表された11月6日、伊藤忠の岡藤正広会長CEOは全社員にメールで次のようなメッセージを発した。

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 「ONE ITOCHU となってトップを目指そう」

 社員たちは「結束して三菱商事を追い抜こう」というメッセージだと受け止めた。

■2019年度上期の商社1位は伊藤忠

 伊藤忠が11月1日に発表した2019年4~9月中間期の純利益は、前年同期比12%増の2891億円。三菱商事が6日に発表した2019年4~9月中間期の純利益は前年同期比21.6%減の2424億円(いずれもIFRS)。つまり伊藤忠のほうが400億円強上回っており、2019年度上期時点では伊藤忠が総合商社ナンバーワンの純利益を稼ぎ出した。

 2019年度通期の純利益は、三菱商事が5200億円と伊藤忠の5000億円を上回る見通しになっている。だが、伊藤忠は「300億円の(利益上振れの)バッファーを持っている」(鉢村剛CFO)と公言。通期でも伊藤忠商事が首位に立つ可能性がある。

 もし実現すれば、首位逆転は4年ぶり。三菱商事など総合商社各社が資源安に苦しみ、赤字を計上したとき以来のこととなる。

 だが、この逆転は伊藤忠商事の業績が急拡大するからというよりも、三菱商事の減益幅が大きいために生じるものだ。特に、グループ会社の不正取引による損失が三菱商事の足を引っ張っている。

 この不正取引はシンガポールの子会社、ペトロダイヤモンドシンガポール(PDS社)で起きた。PDS社は原油・石油製品のトレーディングを行っているが、社員の1人が社内規定に反する形でのデリバティブ取引を繰り返し行っていた。

 同取引は今夏から拡大、7月以降の原油価格下落局面での取引に伴う損失が拡大した。8月中旬にこの社員が欠勤したことで不正取引が露見。その損失額は約342億円に及んだ。

■世界景気減速の影響も業績を下押し

 PDS社は不正取引を行った社員を解雇し、刑事告訴している。だが、元社員は行方をくらませているという。元社員による横領等は現時点で確認されておらず、不正取引をなぜ行ったかなどの詳しいことはわかっていない。

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最終更新:11/9(土) 5:40
東洋経済オンライン

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