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アーセナルは最悪記録更新…問題点はどこにあるのか。好調レスターに為す術なし

11/10(日) 10:58配信

フットボールチャンネル

 プレミアリーグ第12節、レスター対アーセナルの一戦が現地時間9日に行われ、結果はホームチームが2-0と勝利した。ウナイ・エメリ監督の解任が現実を帯びていく中でこの試合は是が非でも勝ちたかったアーセナル。守備意識を高く持って挑むも、その姿勢からは勝ちたいという気持ちは見られなかった。(文:松井悠眞)

●守備意識を高く持ったアーセナル

 今季のアーセナルとレスターは対照的なシーズンを送っている。

 順位こそ上位に位置しているアーセナルだが、試合内容は散々。上位にいるのが不思議に感じてしまうような試合を見せている。また、問題は試合内容だけでなく、ウナイ・エメリ監督の戦術や選手起用に対する疑念や、MFグラニド・ジャカがファンに暴言を吐いたため主将を剥奪されるといった問題も抱えている。

 一方のレスターはトップ3に食い込むほど躍進している。チームの絶対的エース、FWジェイミー・ヴァーディーはプレミアリーグで誰よりも早く2桁得点を決め、好調レスターを支えている。

 この試合、アーセナルは3-4-1-2の布陣で挑んだ。前線2人はFWピエール=エメリク・オーバメヤンとアレクサンドル・ラカゼットを並べ、その下にMFメスト・エジルを配置。中盤4枚はセアド・コラシナツ、マテヲ・ゲンドゥジ、ルーカス・トレイラ、エクトル・ベジェリンで形成して、最終ラインにロブ・ホールディングス、ダビド・ルイス、カラム・チェンバースを置いた。

 守備時に5バックになれるシステムを採用したこともあり、アーセナルはアウェイチームらしい戦術を採る。前線からハイプレスに行くようなことはなく、まずはしっかりとブロックを作り相手のパスコースを消していく。また今季のレスターの攻撃の要でもあるMFフィルフレッド・ディディの前にエジルが徹底して立ち、そこにパスを入れさせないようにパスコースを消した。これが効果的でレスターの攻撃の組み立てを一つ消すことに成功する。

 しかし攻撃面では相手の高い連動性と素早い切り替えに苦しんだ様子で、中盤や後方でのパス回しが相手に引っかかり、前線へ縦パスを入れても収めることが出来ないシーンが散見された。それによりカウンターをくらってしまうが、前半は最後のところで高い集中を見せて何とか耐え忍んだ。

●堅守も虚しく2失点

 試合が動き始めたのは後半に入ってからだ。まずビッグチャンスが訪れたのはホームのレスター。48分にDFリカルド・ペレイラが右サイドを深くえぐると、マイナスのグラウンダークロスを供給。これにディディが合わせたがシュートはクロスバー直撃。先制点とはならなかった。

 一方のアーセナルもビッグチャンスを迎える。後半54分、中央でボールを受けたエジルが左を駆け上がるコラシナツにパスを出すと、ダイレクトで中央のオーバメヤンにクロス。これに上手く合わせてゴールネットを揺らしたが、オーバメヤンがオフサイドだったためノーゴールに。

 そして、ついに試合の均衡が破られる。67分に右サイドからアーリー気味のグラウンダークロスが入ると、ボックス内で華麗なパスワークを見せてフリーになっていたヴァーディーが落ち着いて流し込み、ホームのレスターが先制点を奪う。

 先制点を奪われ、前に出るしかなくなったアーセナルは懸命に前に繋ごうとするも、徹底されたレスターの厳しいプレスを前に思うようにボールを運べずに攻めあぐねる。そして同点ゴールどころか追加点を決められてしまう。

 74分に中央やや右寄りでボールを受けたペレイラがボックス内左に開いていたヴァーディーにパスを出すと、それを上手く切り返して中央のジェームズ・マディソンにパス。ダイレクトでニアサイドに叩き込んだシュートはGKベルント・レノの逆を突いた素晴らしいシュートだった。

 この追加点によって勝負あり。その後のアーセナルは相変わらずパスを繋げずに選手達は苛立ちを見せ始めた。ハイプレスをかけられた時に、どのようにプレスを剥がしていくか、この試合に限らず今季の課題の一つとなっている。どれだけ耐えても、中盤や後方でパスをカットされてショートカウンターを貰い続けてはディフェンス陣も保たない。エジルもディフェンスに回る時間が多く、武器である創造性に富んだパスも今日は眠ったままだった。

●指揮官の言葉とは逆の姿に...

 アーセナルはこれにより公式戦5試合で勝ちなし。ここ数試合は明確な戦術を見せることがなかったエメリ監督だが、前述した通り、このレスター戦では「まずはディフェンスから」といった明確な戦術を見せた。結果2失点を喫してしまったが、少なくとも先制点を取られるまではその守備は機能していただろう。

 しかしアーセナル指揮官は8日の会見で「明日の試合は勝つ必要がある。我々にとって非常に重要な一戦だ」とコメントを残した。だが、この試合ではその言葉の姿勢は見られなかった。今日の試合の戦術は「勝つため」ではなく「負けないため」の戦術だ。勝ちたいのならアウェイであったが、もっと攻撃的になり相手のハイプレスに対して対策を講じるべきだっただろう。

 スタジアムやSNSでは「Emry out」の文字が試合を増すたびに増加している。また、この敗戦によって12試合を消化した時点で勝ち点は17ポイント、得失点差はマイナス1となったが、これは82/83シーズン以来のクラブワーストとなる記録だ。背水の陣で挑んだこの試合も散々な結果になったエメリは、いつまでロンドンで生活を送ることが出来るだろうか。

(文:松井悠眞)

【了】

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最終更新:11/10(日) 10:58
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