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メルセデス・ベンツ 事故を起こさないためのドライバー中心の設計思考

11/10(日) 17:50配信

Auto Messe Web

エンジンのパワーをフルに使えるシャーシ性能

 メルセデスのエンジニア達が常に心に打ち込んできた名句、「シャーシはエンジンよりも速く」がある。

バスが転覆しそうな90度傾斜の付いたテストコース

 メルセデスがいう高性能車とは、単なるエンジンパワー優劣ではない。エンジン性能をフルに発揮し最高速度で走っても、シャーシを構成するサスペンション、ステアリング、ブレーキ、タイヤ等すべての要素には十分な余裕を持たせた設計で、常に誰にでもコントロールできる車であるということが第一条件なのだ。語り継がれている名句「シャーシはエンジンよりも速く」は、コントロール性向上には各部の呼応の速さが必要だということだろう。

「走る性能・曲がる性能・止まる性能」がそれぞれ確実に効果を発揮するバランスのとれたクルマ、言い換えればクルマと人間がうまくマッチした「トータルセーフティ・ファッション」。つまり、思い描いた通りに走り、コーナリングができて、ブレーキは踏力に応じて効き、狙い通りの個所でぴたりと停止できる。

 しかも速度が高まるほど、足回りが路面に吸い付き安定する。1967年には「高速コーナー90度バンク」を増設、絶壁に沿って走り込んでいくバンクで、乗用車やバス・トラックまでテストされるようになる。メルセデスが、総じて高速になればなるほど足回りがしっかりしていると言われる理由でもある。

 またどんな路面状況においても、タイヤの接地具合、クルマの方向安定性を正確にドライバーに伝えるのがメルセデスの足回りの特徴であるとは、昔から言われていることだ。

ハンドルを切り増すだけでカーブを曲がれる設定

 コーナリング時のメルセデスのハンドリング特性は、ニュートラルに近い弱アンダーステアに設定。もちろん適度のロールも与えている。アンダーステアの性格を持っているクルマは、ハンドルを切った角度よりも外側に出る。しかし、ニュートラルに近い弱アンダーステアなら、カーブに対して少しずつハンドルの舵角を切り足せば良いので、誰にでも容易にコーナリングが可能となる。

 逆にオーバーステアの性格(ハンドルを切った角度よりも内側に向く)を持っているクルマは、ある時突然カーブに対して切り込み過ぎて、逆方向にハンドルを切らなければならない場合もある。

 メルセデスは如何にしたら誰にでも安全で容易にコーナリングできるか、人間の性格を見抜いた特性をクルマに持たせている訳だ。

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最終更新:11/10(日) 17:50
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