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BMWがレベル4相当の自動運転の試乗会を開催 今後の導入ビジョンとは?

11/10(日) 21:44配信

GQ JAPAN

各社とも自動運転やEV化に向け注力する自動車業界だが、実のところ本当の意味での自動運転は実用化できていないのが現状だ。そんな中、ダイムラーとも共同で実用化に注力しているBMWが、レベル4相当の自動運転機能を有したテスト車での試乗イベントを開催。イベントの模様や実際の試乗風景をレポートする。

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なかなか実用化できない自動運転

“駆け抜ける歓び”をキャッチフレーズに掲げるBMWは、実は自動運転に関して積極的なメーカーでもある。今夏には日本で販売されるクルマとしては初めて、“手放し運転”を可能とした「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載したモデルを導入した。新型3シリーズを皮切りに、8 シリーズクーペ&カブリオレ、X5などにも搭載されており、対象モデルは順次拡大している。ちなみにこの機能は自動運転レベルにおいてレベル2と呼ばれるものだ。

ここで少しだけ自動運転についておさらいしておく。自動運転は、レベル5まで段階的に定義づけされており、大別すればレベル2まではあくまで運転支援(責任の所在はドライバー)で、レベル3以降が事故の責任はドライバーではなく、システム(クルマ)が担う本来的な自動運転とされる。実は新型アウディA8は世界で初めてレベル3の機能を有した市販車として発表された。しかし、法律やインフラの整備が追いついておらず、日本をはじめ欧州などでも、現実世界ではレベル3を実用化できていないのが現状だ。

自動運転のレベル分け

レベル3:「条件付き運転自動化」特定の場所ですべての操作が自動化、緊急時はドライバーが操作

レベル4:「高度運転自動化」特定の場所ですべての操作が完全に自動化

レベル5:「完全運転自動化」あらゆる状況においても操作が自動化

ノーサイドで進む自動化研究

そうした中、BMWは7シリーズにレベル4の自動運転技術を搭載したテスト車両を日本に持ち込み、東京都江東区にある「BMW GROUP Tokyo Bay」に用意された特設コースでデモ走行を披露した。ぱっと見は普通の7シリーズとかわらないようにも見えるが、前後バンパーにはレーダーやLiDAR、左右Aピラーやフェンダーなどにもカメラが仕込まれ、ルーフには2基のGPSアンテナが載っており、トランク内部はデータロガーなどの機器によって埋め尽くされていた。

デモの模様は以下の動画を見ていただくとして、流れとしてはまず、スマートフォンを操作すると、駐車場に停まっていた7シリーズが自動でお迎えにやってくる。もう一度操作するとドアが解錠され、人が乗り込むことが可能になる。目的地はアプリによって車両に送信する。シートベルトが装着されたことを確認してクルマは走り出す。デモでは特設コースに置かれた車両の合間を縫うように自動で走行し、目の前に飛び出してきた車両に反応して一時停止ののち、スタート地点にもどり自動で元の位置に駐車して終了というものだ。

https://app.box.com/v/g12demorunfootage/file/545192641164

BMWはいま、世界中で70 台以上のテスト車両を使って自動運転に向けたテストを行っている。路上テストを含めて、人工知能 (AI)による機械学習をさらに改善するためのデータを収集し、レベル2からレベル5までの実験を繰り返しているという。そして、プレゼンテーションに登壇したBMWデベロップメント・ジャパン本部長のルッツ・ロートハルト氏は、「BMWでは現在1800人ものスタッフが自動運転の開発に従事しており、そして2021年にはレベル3の自動運転車の量産を開始する計画を立てている」と述べた。

また今年7月にはBMW グループとダイムラーAGが、自動運転に関して共同開発を開始すると発表。レベル4の高速道路における自動運転、および自動駐車システムに的を絞ったもので、2024年には市販車両に導入を計画している。ちなみにこのプロジェクトは、非排他的共同事業として開発の成果はライセンスに基づき開放され、他のOEM も利用可能になるという。

先述のように現時点では法整備もインフラもなく、完全自動運転の実現にはまだまだ時間がかかると言わざるをえない。現実世界に自動運転車と非自動運転車が混在したらと想像するだけで問題は山積みだ。高速道路だけ、ある特定エリア内だけといったレベル3、4あたりから、そしてできることなら物流トラックなど商用ベースで、始めていくのが現実的だろう。いずれにせよ、電動化も自動運転化も、ドイツメーカーは本気も本気、大本気ということのようだ。

文・藤野太一

最終更新:11/10(日) 22:48
GQ JAPAN

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