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アリババの強さの秘密、その独自のビジネスモデルを分析する

11/10(日) 9:01配信

現代ビジネス

 中国のインターネット企業としては、アリババのほかに、百度(バイドウ)とテンセントがよく知られている。これらは、英文表記の頭文字をとってBATと呼ばれ、アメリカのGAFAの中国版とされる。

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 ところで、BATの事業は、アメリカIT企業が行っている事業の模倣だとされることが多い。

 アリババは アマゾンやeBayなどの摸倣であり、百度はGoogleの中国版だと言われる。そして、テンセントはフェイスブックの中国版というわけだ。

 その他のインターネットサービスについても、アメリカのサービスと同じものを中国の企業が提供している。

 ところが、これらのサービスでアメリカ企業と中国企業が競合すると、ほとんどの場合に後者が勝つ。例えば、eBayやグーグルは、一時中国でサービスを提供していたが、その後中国から撤退した。

 なぜか? 
 一般に言われるのは、「中国政府が外国のITサービスを閉め出して、インターネット鎖国しているから」という説明だ。また、「中国の企業は国の手厚い保護を受けて成長している」とも言われる。

中国政府のインターネット鎖国政策

 では、中国のIT企業が強いのは、政府によるIT鎖国と援助のためなのか? 

 そうした側面を全く否定することはできない。

 中国政府は、インターネットに対して厳しい検閲を行なっている。例えば、「天安門事件」という検索語で検索しても、情報は得られない。

 2006年に中国市場に参入したGoogleは、中国政府が行っているインターネット規制にどう対処するかという難問に直面した。

 当初は、中国政府が望まない情報を非表示にするという自主検閲を受け入れた。しかし、アメリカ国内で批判の対象となった。

 2010年、中国政府によるネット検閲が厳しさを増し、さらに、Gメールが中国国内からと見られるハッカー攻撃を受けた。こうしたことがあったため、Googleは2010年3月に中国から撤退したのだ。

 SNSは厳しく検閲されており、Facebookなど西側のSNSは利用できない。

 仮に中国にインターネット規制がなかったとしたら、テンセントなどの中国版SNSが現在のように成長できたかどうかはわからない。

 しかし、後で述べるように、eコマースでアメリカ企業が中国から撤退したのは事実だが、それは中国が追い出したからではなかった。

 では,中国政府が中国IT企業の活動を積極的に支援しているという点はどうか? 
 これもよく言われることだ。しかし、よくよく見ると、中国のIT企業が、どれも最初から当局の手厚い保護を受けていたわけではない。

 少なくとも、アリババの場合には、そうでなかった。「アリババのジャック・マー、さえない英語教師からいかにのし上がったか」で述べたように、1990年代の末に中小企業向けのサイト「アリババ」が作られた。しかし、当局からは冷たい反応しか受けなかった。たがって、マーは、資金集めも自分でしなければならなかったのだ。

 アリババが生き残り、成長したのは、政府の庇護のためではなく、以下に述べるように、中国の事情にあったeコマースを巧みな工夫により作ったからだった。

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最終更新:11/10(日) 9:01
現代ビジネス

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