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独身の日:中国のポテンシャルに賭ける、美容ブランドたち

11/11(月) 9:01配信

DIGIDAY[日本版]

米国では美容関連の市況が軟化しており、関連企業の販売不振が続いている。そんななか、各社の注目を集めているのが中国市場だ。

たとえば、エスティローダー(Estée Lauder Companies)の前四半期の売上高は11%増の39億ドル(約4300億円)だったが、これも中国市場における好調が要因となっている。一方、同社の米国市場での売上は6%減少となった。同社のプレジデント兼CEOファブリツィオ・フレダ氏は、10月31日にウォールストリートのアナリストとの電話のなかで次のように述べている。「中国市場では前四半期から引き続き伸びているが、これは複数の要因によるものだ。同市場では全カテゴリー、全チャネル、そしてほぼ全ブランドに渡って2桁成長を達成している。中国ではオンライン事業が好調だった。天猫(Tmall)では全ブランドの売上が伸びており、全体の売上は倍増した」。

米国市場はカラーコスメの売上が鈍化しており、2020年は景気後退に向かうとも言われている。そんななか、中国市場に注力するのは理にかなった選択だ。フェンティビューティ(Fenty Beauty)は9月に天猫国際(Tmall Global)で旗艦店をオープンしている。資生堂に買収されたばかりのドランクエレファント(Drunk Elephant)、そしてDECIEM(デシエム)も天猫国際に参入した。天猫が11月11日に行うショッピングイベント「天猫ダブルイレブン(俗称:独身の日)」が間近に迫るなか、美容ブランドは中国市場で売上を伸ばそうと積極的な姿勢を見せている。だが、障害も存在する。

新興ブランドが有利だが

既存ブランドはショッピング体験のゲーミフィケーションで成功を収めている。コーチェラ・フェスティバルでKOLと天猫を登場させたイヴ・サンローラン・ボーテ(YSL Beaute)や、天猫が2018年8月に実施したスーパーブランドデイでイベントを共催したジョー・マローン(Jo Malone)などが良い例だろう。だが、中国のカスタマーは新興ブランドを好む傾向にあり、こういった取り組みで、そのニーズを満たすことはできない。

「中国の若い層は母親や叔母たちが使っていたブランドを使いたがらない」と、米国を拠点として中国に小売ブランドをローンチしたエクスポート・ナウ(Export Now)のマーケティングディレクター、ジョーノーラ氏は指摘する。「ドランクエレファントのようなニッチな新興ブランドが人気を集めているが、世界的に一歩抜きん出るようなブランドでなければ中国で成功するのは難しい。中国における若いZ世代はセフォラ(Sephora)やAmazonのレビューを見てブランドを値踏みしているからだ」。

だが、新興の美容ブランドは、たとえ需要があってもロレアル(L’Oréal)やエスティローダー(Estée Lauder Companies)のように中国市場でのローンチをプッシュできるほどの財力がないことが多い。ノーラ氏は中国市場におけるカスタマー獲得コストは1人あたり40ドル(約4400円)ほどと推定している。

「新興ブランドからよく尋ねられるのが『来年でも大丈夫か?』という質問だ。だが、経済の状態を見ても、コスト面で来年のほうが状況が良くなる見通しはない」と、同氏は語る。

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最終更新:11/11(月) 9:01
DIGIDAY[日本版]

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