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英語民間試験 123億利権に群がった役人・教育者・企業たち

11/11(月) 7:00配信

NEWS ポストセブン

「身の丈に合わせて頑張って」──。萩生田光一文科相の失言は受験生やその親を憤慨させ、準備不足も露呈したことで「英語民間試験」は延期に追い込まれた。背後にある教育を“食い物”にする構図とは──。ノンフィクション作家の広野真嗣氏がレポートする。

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 土壇場で導入延期が決まった大学入学共通テストの英語民間試験をめぐって、萩生田文科相は11月5日の会見でこう述べた。

「今日に至るまでどういう積み上げでこういう制度設計になったのか、判断に誤りがなかったのか、きちんと検証していきたい」

 制度設計にあたった会議が非公開で議事録も開示されていない、という批判に答えたものだ。

 英語民間試験は従来のセンター入試に代えて、英検など民間6団体が実施する7種類の試験を活用する仕組みだ。官邸に置かれた教育再生実行会議を司令塔に2014年12月、文科省の諮問機関・中央教育審議会(中教審)の答申で導入の方向性が示されると、3年後には2020年4月導入が決まった。

 導入目前に騒動となったのが、萩生田氏が民放BS番組で放った「(受験生は)身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」という発言だ。経済状況や居住地域によって受験料や交通費が重い負担となり、格差拡大を助長するのではないか、という懸念を大臣自ら、端的に容認してしまったのである。

 ただ、本当に検証されるべきは、この問題とは別の所にある。

◆「独り勝ち」になる

 現行のセンター入試は、年間50万人が受験する官製テストだ。そのなかの英語の“市場開放”は民間にはまたとない商機となる。

 文科省の調査によれば、2020年度で123万人が受けると見込まれていた。試験の価格帯は5000円台から2万5000円台と幅があるが、仮に中間値の1万円をとって掛け算すれば123億円の巨大市場が出現することが分かる。

 参入する7つの試験のうちとりわけ「最有力の選択肢」(塾経営者)と見られてきたのが、ベネッセコーポレーション(本社・岡山市)が提供する「GTEC」だ。

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最終更新:11/11(月) 7:00
NEWS ポストセブン

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