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なんと転職12回!「転職の達人」に聞く 自分を高める仕事の選び方

2019/11/11(月) 6:12配信

NIKKEI STYLE

《連載》あしたのマイキャリア

人生100年時代の到来や働き方の多様化を背景に、大転職時代の足音が聞こえてきた――。転職を軸とするキャリア形成は今や、ビジネスパーソンの一般的な選択肢になったものの「マイベスト」な企業を見つけ、成功と言える転職をなしとげるのは至難の業だ。転職経験12回の「達人」ともいえる経済評論家、山崎元さん(61)に、企業選びのコツや普段から必要な心がけについて話を聞いた。

■新天地選びのカギは「人材価値」向上への効果

――どのような基準で転職先を選んだのですか。

「仕事の内容、一緒に働く人のクオリティー、会社の良しあし、の3つです。仕事の内容が大切なのは、私が転職において最重要視する『自身の人材価値への影響』に直結するため。転職先で働くことで人材価値がどう変化するか、事前に見極める必要があります。例えば、ファンドマネジャーから生命保険の営業職という転職はキャリアの連続性に欠けるため、人材価値を落としやすいといえます」

「転職先で何の仕事をするか、が非常に重要です。仕事の連続性があり、かつ、その能力が落ちなければ、例えその会社が合わなくても自分の価値をあまり損なうことなく再び転職することも可能です。詳細な業務内容を詰めずに転職を決める人が多いですが、これは典型的な失敗例。入社後に『思っていた仕事と違った』というのでは、人材価値は高められません」

「一緒に働く人のクオリティーが大事なのは、優秀な人と競争しながら仕事を覚えることで人材価値が上がるからです。新卒学生に就職先選びのアドバイスを求められるたびに『優秀な人が多くて忙しい会社』を薦めてきましたが、転職でも同じ。量を伴わずして質の向上はありません。何事も場数をこなす必要があり、質の良い仕事をする人間は必然的に多忙になる、というのが私の持論です。昨今、働き方改革とよくいわれますが、ワークライフバランスを過度に重視して転職先を選ぶ人間の伸びしろは少ないと思わざるをえません」

■「成長ストーリー」に惑わされるな

――「会社の良しあし」をどのように見極めますか。

「まずは売上高、利益が安定的に伸びている企業をお薦めします。業績が継続的に拡大していれば、雇用が保障されるだけでなく給料アップも期待できます。何より、会社の雰囲気が明るいであろうことも大きいです。一方、利益が不安定な会社はリストラや倒産のリスクも高いです」

「外資系企業の場合は日本法人の業績が良くてもリストラや日本撤退などの憂き目にあうこともあるので注意が必要です。海外の本社の業績チェックも欠かせません。業界内の競争力をはかる上で、営業利益率が同業他社と比べ高いかどうかも重要なポイント。他社と比べて高ければ、価格の安さ以外で勝負できるブランド力や製品があるということです。すなわち、値下げ余地が大きいことを示していて、業界内での競争力が高いといえます」

――足元の業績より成長性を重視して転職先企業を選ぶ人も少なくありません。

「個人的には成長性ほど評価できないものはないと思います。ビジネスの世界でリアルに想像できるのはせいぜい2年先で、5年後、10年後は『はるか先の未来』ととらえるべきです。そんな遠い将来の事業計画はあてにできるものではなく、成長性だけで転職先を決めるのは得策とはいえません。もちろん、成長性もあり、かつ、足元の売り上げ、利益も伸びているという会社もあります。ただ、重要なのはあくまでも現在のビジネスであり、直近の数字です」

「ベンチャー企業などの『成長ストーリー』に魅了されるケースもあるでしょうが、正直、あまり当てにならないと思います。社長の人間性にほれて、というのもリスキーです。業績が低迷すると、あっというまに社内の雰囲気が悪くなり、リストラ、経営陣の入れ替え、合併・吸収につながるケースも多い。成長性のある会社に入り、その恩恵を受けて自分も成長したい、という人生設計ではなく、自分の人材価値を高めるという目的に向けて、自身がしっかりと手綱を握って転職先を選んでほしいですね」

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最終更新:2019/11/11(月) 12:42
NIKKEI STYLE

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